電力節約のマメ知識

2016年11月21日

浄水器やミネラルウォーターはムダ!? “東京の水”がおいしい理由

水道

 「東京の水はおいしくない」というような声を耳にすることがあります。こと都市部では浄水器や整水器を使用したり、ペットボトルのミネラルウォーターを購入して常飲しているという人もいるでしょう。ところが近年、“東京の水”がおいしくなってきているのをご存知でしょうか。

◆ミネラルウォーターよりおいしい東京の水道水!?

 よりおいしい水を飲みたいなどの理由から、浄水器・整水器を通してから飲んだり、もしくは箱買いしたペットボトルのミネラルウォーターを使用しているという人も多いことと思います。しかし、節約という視点で見るとどうでしょうか。

コストがかかる順に並べてみると、ミネラルウォーター、ウォーターサーバー、浄水器、水道水となります。つまり、いくらリーズナブルに水道以外から水が入手できるようになったとはいえ、コストの面では水道水がもっとも節約できると言えます。

それでもやはり「東京の水はまずい」と感じ、水道水を直接飲むのはちょっと……という人もいるでしょう。しかし、飲食店などで提供される“お冷”が、思ったよりおいしくて驚いたことはありませんか? 現在の東京の水は確実においしくなっているという“事実”があるのです。

◆ おいしい水を届けるための技術確信

 昔の東京の水道水は、“まずい”と感じてしまうものだったようです。取水する場所が廃水場の近くにあったり、菌の繁殖を抑えるために大量の塩素を投入してカルキ臭かったりと、いろいろな問題でひどい味にならざるを得なかったのが原因です。

その後、東京都水道局は1992年にオゾンによる高度浄水処理を開始。つまり浄水方法自体を変更したのです。もちろん安全のため塩素を完全にカットすることは難しいですが、それでもオゾン処理をこなせる高度浄水処理施設を増やす(現在では100%導入)ことで使用する塩素の量も減り、浄水場から蛇口にたどり着くまでに段階的に塩素を添加する技術で、濃度を低めることにも成功しています。

東京都がキャンペーンを行っていたので見覚えのある人もいるかもしれないが、技術の進歩に加えて2013年10月から、さらに浄水の仕方が変わったことで、より味わいも改善されたといいます。現在の水道水の品質基準は、実はミネラルウォーターよりも厳しい基準で定められているため、いつの間にか東京の水道水はミネラルウォーターと肩を並べるくらいのおいしいしい水へと“進化”したのです。

このことについては、都庁などで水道水をペットボトルに入れて「東京の水」として販売しているほど。ブラインドテストのイベントでも半数の人が「水道水の方がおいしい」と答えたといいます。

◆もう浄水器・整水器やミネラルウォーターを買わなくてもいい!?

 そうした高品質な水が、蛇口をひねれば出てくるのが東京の水道です。人それぞれ考え方や嗜好に違いはあるかもしれませんが、浄水器や整水器、ミネラルウォーターなどに頼らずとも、水道水を冷蔵庫できっちり冷やせばおいしい水が味わえるのです。

これは節約の面から見ても、大きなコスト削減につながるのではないでしょうか。いくらミネラルウォーターを特売で手に入れても、さすがにコストパフォーマンスで水道水に勝てるはずはありません。東京都水道局の平成24年度の調査によると、1ヵ月の水道代の平均額はおよそ3人家族で5,000円。35.4?の水を使用しているとのことです。ミネラルウォーターのペットボトル1?は特売などを活用すれば1本50円程度で手に入りますが、水道水なら同じ量が約0.14円。比べ物になりません。

すでに浄水器・整水器を設置していたとしても、定期的に発生する交換フィルター代も意外にかさみます。目安としては蛇口取付型で3ヵ月2,000?5,000円。据え置き型なら半年程度は保ちますが、交換のたびに1万円以上払うこともざらです。

家計をぐんと楽にしてくれる水道水活用。実際にその味を自分の舌で確かめて、導入に踏み切って、節約水ライフを送りましょう。



記事提供:@niftyでんき