電力節約のマメ知識

2017年01月06日

“電気使用量の見える化”を実現する、省エネ促進ツール「HEMS」とは?

電気

通信機能を備えた次世代の電力量計「スマートメーター」と連携させることで、家庭で使われている電気の詳細を“見える化”できる、住宅用エネルギー管理システム「HEMS(ヘムス)」を紹介します。

◆「HEMS」とは?

「HEMS」とは、「Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」の頭文字を取った言葉で、家庭内で使うエネルギーを集約して管理するシステムのことを指します。

HEMSの主な機能は以下の2つです。

(1)エネルギー使用量の“見える化”
(2)HEMSに対応している家電機器の遠隔制御や自動制御

電気のほか、ガスや水道との連携も可能です(使用しているHEMSの機種によってはできないものもあります)。

これまでは太陽光発電の発電量を確認する目的で設置されるケースが多かったHEMSですが、これからは現在導入が進んでいる次世代電力量計「スマートメーター」と連携させて使用するケースが増えるでしょう。

スマートメーターや家電製品と連携させることで、各家庭の電気の総使用量だけでなく、家電ごとに日単位、時間単位で電気使用量の変化がわかるようになり、HEMS専用のモニターやパソコン、スマートフォンなどで電気使用量の詳細が“見える化”できるようになるのです。

電気使用量の詳細の“見える化”は、電気の使い過ぎに気づいたり使用している家電製品と最新機種の消費電力を比べたりすることにもつながり、家庭での節電対策に取り組みやすくなります。

さらに各家庭の電気の使用状況から、それに合わせた適切な料金プランの提示や離れて暮らす家族の見守りなど、HEMSの機能を生かしたさまざまなサービスがスタートしつつあります。

政府は、平成24年「グリーン政策大綱(内閣官房 国家戦略室)」において、HEMSを2030年までに全世帯に普及させることを目標としました。近い将来、HEMSは家庭での省エネルギーを促進するツールとして、また、家電機器制御の便利ツールとして、なくてはならないものとなるでしょう。

◆HEMS導入の初期費用は?

現在、HEMSは家電メーカーをはじめ、住宅設備機器メーカーや電設資材商社、NTT東日本などの電気通信事業者などから、さまざまな特徴をもった機種やサービスが登場しています。

そのため、導入の初期費用もケースバイケースとなっています。ここでは、HEMS主要メーカーが公表しているHEMS機器の価格を目安として紹介します。

導入の際には、それぞれの特色をしっかり検討し、オプションや工事にかかる金額も把握したうえで、自身の状況に合ったメーカーと機種を選びましょう。

【Panasonic】対応機器が多く、自社製エコキュートとの連携も可能
・新築の場合(住宅分電盤込み)
約22万〜26万円
・リフォームの場合(住宅分電盤なし)
約11万〜20万円

【東芝ライティック】インターネット接続なしで使える機種もあり
3万〜11万4,800円(希望小売価格)

【シャープ】自社製蓄電池と気象警報に連携させて自動蓄電ができる
4万8,000〜7万4,000円(希望小売価格)

【三菱電機】換気扇やエアコンなど換気システムの自動制御が充実
10万7,000〜18万9,000円(希望小売価格)

【NTT東日本】フレッツ光の契約者にぴったり。機器のレンタルが可能
・フレッツ・ミルエネ対応機器[無線親機、分電盤計測器]をレンタルする場合
フレッツ光月額利用料+フレッツ・ミルエネ月額利用料400円+フレッツ・ミルエネ初期登録費用1,000円など

※すべて2016年12月8日現在の税抜価格。各種オプション・工事費別

機種にもよりますが、スマートメーターや各種家電製品、さらには太陽光発電システムや蓄電池、電気自動車、ガス、水道などとの連携も可能なHEMS。エネルギー使用量の“見える化”と家電製品などの自動制御といった機能を活用し、電気をはじめとする各種エネルギーを、ムダなく上手に使っていきましょう。



記事提供:@niftyでんき