電力節約のマメ知識

2017年01月06日

エアコンはつけっぱなしのほうが節電になるという噂は本当?

電気

一時期、まことしやかに流布された「エアコンはつけっぱなしのほうが安上がり」という噂は本当なのでしょうか? 諸説ある中、もっとも節電効果があるエアコンの使い方を調べてみました。

◆エアコンを24時間つけっぱなしにすると、電気代はかえって高くつく

「エアコンはつけっぱなしのほうが安上がり」という考え方は、「設定温度に達するまでは全開運転する」エアコンの基本特性が基になっています。

たとえば冬の暖房時、寒さに震えながら帰宅してみると室温は10度。25度に設定したエアコンをつけると、彼らはプラス15度分、全身全霊で部屋を暖めようとするわけです。これを繰り返すよりも、絶えず25度設定で運転し続けたほうが、消費電力は少ないのではないかという考え方です。

たしかに、設定温度25度でエアコンをつけっぱなしにしておけば、室温は絶えず20〜25度前後を推移します。室温を10度から25度に上げるよりも、20度から25度に上げるほうが、エアコンの運転効率からして電気代は安くなるでしょう。なので節電になるという考え方もうなずけます。

この件に関しては、実は多くの方が実験を行っています。そして、その多くが「エアコンをつけっぱなしにしたほうが電気代は高くなった」という結果でした。つまり、噂はデマだった!?

ただし、一方で、このような検証結果もありました。

(1)エアコンを24時間つけっぱなしにしていても、電気代は予想よりも安かった。
(2)30分〜小1時間程度の外出時にエアコンをオンオフすると、電気代が高くついた。

(1)に関しては、エアコンをつけっぱなしにした場合と、こまめにオンオフを繰り返した際の電気代差額が、思ったよりも少なかったことを意味します。先の噂も、あながち間違いではないのかもしれません。

これは(2)の結果にもつながります。30分〜小1時間程度の外出なら室温もさほど下がりませんが、設定温度までの全開運転を繰り返せば、やはり電気代はかさみやすくなってしまいます。

◆エアコンは利用条件により、柔軟な使い分けを心がけることが節電のポイント

30分〜小1時間の外出を何度も繰り返すケースは稀でしょう。真冬の寒い時期はなるべく外出を控えたいので、なおさらです。

であれば、「誰もいない部屋を暖めておくのは無駄」という思いも少なくなるはずです。在宅時に1〜2回、30分〜小1時間程度の外出をするだけなら、エアコンをつけたままにしておいたほうがいいかもしれません。

前述した「エアコンをつけっぱなしにしたほうが電気代は高くつく」という結果は、多くが24時間運転という極端な検証例です。「つけっぱなしか、オンオフを繰り返すか」という極論ではなく、柔軟に使い方を考えることが大切なのではないでしょうか。

では、ここまでの検証結果をまとめてみましょう。

・ほぼ在宅している:エアコンは“ほぼ”つけっぱなしでいい
・30分〜小1時間程度の外出時:つけっぱなしでいい
・数時間以上の外出時:切って出かけたほうがベター

もちろん、お住いの地域や気温&室温、テレビなど熱を発しやすい電化製品が使われているかによっても、エアコンの賢い利用法は変わってきます。上記の使い分けをひとつの目安に、ご自身なりの使い方を考えてみてください。

なお、夏場の冷房時は、冬場の暖房時よりもエアコンの運転効率がよくなります。同じ“全開運転”でも、冷房時のほうが機械の負荷は少ないのです。

つまり、「つけっぱなしか、オンオフを繰り返すか」を考えた際、電気代の差額が冬場よりも少なくなるわけです。

近年は温暖化の影響で、猛暑の年が続いています。冬場よりもエアコンの使い分けを緩くし、「1〜2時間程度の外出時はつけっぱなしでもOK」と考えたほうがいいかもしれません。我慢の節電で熱中症にかかってしまっては、元も子もありませんから。



記事提供:@niftyでんき