電力節約のマメ知識

2017年02月08日

家庭用ゲーム機のコンセントは挿しっぱなしでいい?

電気

使わない電化製品はコンセントを抜いて待機電力を節約しましょう……という話題はよく目にしますが、意外に忘れられがちなのが家庭用ゲーム機です。その待機電力は、思ったよりも高いのでしょうか? それとも安いのでしょうか?

◆PS4など家庭用ゲーム機は、待機電力だけで年間1,000〜2,000円!?

ソニーの「プレイステーション3(PS3)」や「プレイステーション4(PS4)」、任天堂の「Wii U」、マイクロソフトの「Xbox One」といった据置ゲーム機を、どれか1台でも持っているというご家庭は少なくないのではないでしょうか。

と同時に、遊ぶのはプレイステーションVita(PS Vita)やニンテンドー3DSなどの携帯ゲーム機、あるいはスマートフォン用ゲームアプリばかりで、テレビに接続したゲーム機は埃を被っているケースも少なくないのでは?

いわゆる「待機電力」を考える際、意外に見落とされがちなのが、こうしたゲーム機ではないでしょうか。普段からよく使う炊飯器やドライヤーといった家電の電気代は気になっても、あまり使わない機器はコンセントが挿してあるかどうかも忘れてしまいがちです。

また、こうしたゲーム機に関しては、テレビやブルーレイレコーダーなどのAV機器ほど省エネ化が進んでいないことをご存知ですか? PS3の発売当時、待機電力の高さからコンセントを抜く人が増えたという話を覚えている人もいるでしょう。

電力問題に熱心なアメリカでは、家庭用ゲーム機待機電力もきちんと調査されています。参考までに、自然資源防衛協議会(NRDC)の調査結果を見てみましょう。

・PS4(スタンバイモード):10w/h 年間電気代:約1,200円
・Xbox One(クイック起動電源モード):12.9w/h 年間電気代:約1,600円
・Wii U(クイックスタートモード):0.4〜13.3w/h 年間電気代:約8円〜1,700円(インターネット接続の有無で大きく変動)

※注:アメリカ・エネルギー情報省のデータを基準にしているため、日本での電気代はもう少し高くなります。

◆意外なほど電気を大食いする家庭用ゲーム機にも、省エネ化が進行中

いかがでしょうか。意外に高いと感じたでしょうか? それとも安いと思ったでしょうか?

「スタンバイモード」といった各モードの名称は、テレビをリモコンで切った状態(※主電源はON)に近いものです。遊んでいないときもインターネットに自動接続してアップデートなどを行うため、どうしても消費(待機)電力が高くなります。

もちろん、どの機種も本体メニューから電源を切れば、待機電力はほぼゼロになります。アップデートは利用時に……と割り切るなら、使わないときにコンセントを抜く習慣も無意味ではありません。

ゲーム機とAV機器のコンセントを別にし、ゲーム機だけはスイッチ式の電源タップにつなぐなどすれば、いちいち奥のほうに手を回し、コンセントの抜き差しをする手間もかかりません。

上記の計測値は1時間あたりの待機電力なので、すぐに他の電化製品と比べることはできませんが、単純な待機電力という観点では、家庭用ゲーム機はPC用プリンターや食洗機と同等だというデータもあります。普段からプリンターの電源を切っている方なら、ゲーム機も同様に考えたほうがいいかもしれません。

ちなみに、ゲームをプレイする際の消費電力に目を向けると、ゲーム機の“電気食い”っぷりがいっそう明らかになります。

たとえばPS4の場合、初期型では最大消費電力が250Wもありました。実際の使用時は半分以下とはいえ、これは冷蔵庫やホットカーペット並みの数値です。

とはいえ、最新モデルのCUH-2000シリーズ(2016年9月発売)では165Wまで省エネ化。モデルチェンジごとに省エネ化が進んだPS3の最終型よりも、実は最大消費電力が少なくなっています。それでもWii Uに比べて倍以上なのは、より高スペックな分、致し方ないのでしょうか……。

未公表な待機電力も、最新型ほど改善されているはずです。省エネ化が遅れていた家庭用ゲーム機も、ようやく「節電」に目を向け始めたといえそうです。



記事提供:@niftyでんき