電力節約のマメ知識

2017年05月24日

電気料金の節約につながる、エアコンの省エネ基準値「APF」をチェック!

電気

「APF」は、統一省エネラベルなどにも記されている「エアコンの省エネ基準値」とされる数値です。APFは具体的に何を表している数値なのか、数値の見方やエアコン購入時のチェックポイントとともに見ていきましょう。

◆APFは何を表す数値?

「APF」は「Annual Performance Factor」の略で、日本語では「通年エネルギー消費効率」と訳されています。具体的には、ある一定の条件下(※1)でエアコンを運転したときの、消費電力1kW当たりの冷房・暖房能力を表した数値を指します。

算出式は、

APF=「1年間で必要な冷暖房能力の総和」÷「年間消費電力量」

となります。

APFは、「省エネ法」で定められた基準であり、省エネエアコンを見極める基準値として浸透してきています。

APFが定められる以前には、「冷暖房平均エネルギー消費効率」を意味する「COP(Coefficient Of Performance)」が広く使われていました。

COPは電力を1kW使ったときの冷房・暖房能力を示すもので、現在でも一部メーカーの製品カタログなどで使われていますが、エアコンの運転能力に影響をおよぼす季節によって変化する外気温度などを加味していません。そこで、実際の使用時の状態に沿った省エネ性能を示す指標としてAPFが登場したのです。

APF が法律で定められる以前、2006年9月以前に発売されている冷房能力4.0kW以下の機種や、2009年5月以前に発売されている冷房能力が5.0kw以上の機種には、かわりにCOPという数値が省エネ性能を示す指標として使用されていることも。古い機種を使っている場合には注意が必要です。

※1:日本工業規格(JIS)で定める「JIS C 9612」に基づく運転環境下。

◆APFはどのように見るもの?

APFは、その数値が大きいほど省エネ性能が優れていることを示します(COPも同様)。

現在は、各メーカーの製品カタログなどのほか、エアコンの「統一省エネラベル」にもAPFは記されています。家電量販店などでエアコンを購入する際には、統一省エネラベルの省エネ基準達成率や星の数で表される多段階評価とともに、APFの数値も必ずチェックしましょう。

◆APFの目標基準値から見えるエアコン選びのポイント

省エネ法ではAPFの目標基準値を定めています。家庭用のエアコンのうち、もっとも一般的な冷暖房兼用「壁掛形」のAPF目標基準値を、目安として見ていきましょう。

★冷房能力:〜3.2kW(12畳)
・寸法規定(※2):5.8
・寸法フリー(※3):6.6

★冷房能力:〜4.0kW(14畳)
・寸法規定:4.9
・寸法フリー:6.0

★冷房能力:〜5.0kW(16畳)
・寸法規定&寸法フリー:5.5

★冷房能力:〜6.3kW(20畳)
・寸法規定&寸法フリー:5.0

★冷房能力:〜7.1kW(23畳)
・寸法規定&寸法フリー:4.5

※2:室内機の横幅寸法800mm以下かつ高さ295mm以下の機種
※3:上記以外の機種

冷房能力が高いものほど、APF目標基準値は低めに設定されていることがわかります。

各メーカーが実際に販売している機種でも、冷房能力が高い機種はAPFがおおむね低い傾向にあります。省エネルギーの観点からいえば、広い部屋では冷房能力が高いエアコンを1台置くより、冷房能力が控えめのエアコンを複数台置く方が、節電効果が高いといえます。買い替えなどでエアコンを選ぶ際に、覚えておきたいポイントです。

エアコンの最新機種では、省エネ法で定められたAPFの目標基準値を大きく上回るAPF値7.0を超えるものも登場しています。値上がりがニュースとなっている電気料金の節約には、APF値が大きいエアコンへの買い替えが対策のひとつとして考えられます。

インターネットでも手軽に見られる各メーカーのカタログなどでAPF値をチェックし、買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。