電力節約のマメ知識

2017年09月26日

アイロン台がアイロンがけの節電につながるって本当なの?

電気

さまざまな形状があるアイロン台には「どれを選べばいいのか」というわかりやすい指針がありません。最近の流行でもある、アルミコーティングのアイロン台が節電・節約につながるのかも気になります。

◆アイロン台の違いでアイロンの年間電気代が変わる?

普段から何気なく使っているアイロンですが、出力を確認すると1000Wを超える製品がほとんど。電子レンジが500?700W程度、標準的なドライヤーが1200Wであることを考えると、電気の消費が大きい家電製品なのです。

標準的な電気料金で1000Wのアイロンを基準となる高温設定で毎日10分間ずつ使うと、電気代は1.0kW×27円×0.16hでおおよそ4.32円ほど。年間では約1,500〜1,600円に。出力の割には少ないかもしれませんが、節約は心がけておきたいものです。

そこで今回は、アイロンがけには不可欠なアイロン台に目を向けてみましょう。

最近はアイロン台にも多くの種類があり、なかでもアルミコーティングされたアイロン台が注目されています。

「熱を反射するため衣類が下方向からも加熱される」
「服を裏返したときには、ある程度までアイロンがけされた状態に」
「アイロンの温度を低く設定しても効率よく使える」

などの宣伝文句がよくならびます。確かに温度設定を低くできたり効率的な加熱で使用時間を短くできれば節約が期待できますが、実際のところ本当に効果はあるのでしょうか。

アルミには、熱伝導率が高いという性質があり、アルミコーティングのアイロン台はこの性質を利用しているとのことです。そこでまずは、普段のアイロンがけにアルミホイルを活用して、アイロンがけの効率アップが見込めるかを試してみました。

◆アイロンがけにアルミホイルを活用した時の効果は?

まずはアイロン台にアルミホイルを巻き、アイロン台側からの熱の反射でアイロンがけの効率が上がるかを試してみました。結果としては、体感できるだけのアイロンがけの効率アップはあまり感じることができませんでした。しかしながら、アルミ部分の温度上昇は確認できたため、まだ活用の余地はありそうです。

そこで次は、衣類の上へアルミホイルを敷いて、直接アイロンをかけられない素材へのあて布代わりに活用してみました。その結果、今度は衣類のシワの伸びが早くなったと感じることができました。これなら、ウールやシルクなどへのアイロンがけの際に活躍が期待できそうです。

アルミの熱伝導率の高さをアイロンがけの効率アップとして体感するためには、多少なりとも工夫の必要がありそうですね。アルミホイルまで併用するのはやや面倒ですが、一工夫でアルミの効果をアイロン台で体感できるなら、試してみる価値はあるのではないでしょうか。

◆アイロン台のタイプによっては熱の保持に違いがある?

そこまでしなくても、とりあえずアルミコーティングされたアイロン台を試してみたいという方は、アイロン台のタイプにも目を向けてみましょう。

アルミコーティングの製品でも安価なものは、天板の表面はコーティングされていますが、下面の作りは普通のものと変わらないことが多いです。そのため、天板の下部分から熱が逃げてしまうというのが一説。せっかくアルミにより温度が上昇しても、その熱が下から逃げてしまうのでは効果半減です。(アルミホイルを巻いたアイロン台での効果が薄かったのも、この点が原因かもしれません)

本当にアルミコーティングの価値を高めたいなら、平台タイプのアイロン台がオススメです。熱を逃がす隙間がないため、アルミコーティングの熱伝導率の高さが存分に発揮されるでしょう。テーブルの上や、座ってしか使えない不便さはありますが、利用時は熱すぎて衣類に触れないほど温度が高まり、その熱がキープされます。これなら、アイロンがけの時間が短縮され電気代も抑えられそうです。

アルミコーティングのアイロン台に効果を期待するなら、平台タイプか天板の作りにこだわったスタンドタイプが狙い目。出力が高いアイロンを少しでも節約して使うためにも、普段のアイロン台から見直してみるのもいいでしょう。

※本文中の電気代は、新電力料金目安単価・税込27円/kWh(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会)で計算。