電力節約のマメ知識

2017年02月08日

電力の次は…スタート目前!「ガスの自由化」の押さえておきたい基礎知識

ガス

2016年4月から小売が全面自由化された電力に続き、2017年4月からはガスの小売が全面自由化される予定です。自由化によって何が変わるのでしょうか。押さえておきたい「ガスの自由化」の基礎知識をまとめました。

◆「ガスの自由化」とは

1995年の大規模工場向けなどを皮切りに、少しずつ進められてきたガスの小売自由化。2017年4月1日からは、いよいよ一般家庭用も含めて、ガスの小売が全面的に自由化されます。

これにより、これまで東京ガスなど住んでいる地域の「都市ガス会社(一般ガス事業者)」と契約するしかなかった一般の家庭でも、これからは新規参入したガス会社を含めた登録ガス小売事業者の中から、契約するガス会社を自由に選択できるようになります。

全面自由化の対象となるガスは、戸建て住宅などにガス導管を通じて供給される「都市ガス(一般ガス)」と、70戸以上の団地やマンションにガス導管を通じて供給される「簡易ガス」です。

ガスが入ったボンベを事業者が配送する「LPガス」(いわゆる「プロパンガス」)は、すでに自由化されています。

◆新規参入した登録ガス小売事業者は?

2016年12月28日現在の登録ガス小売事業者は9事業者。そのうち、一般家庭への販売を予定しているのは、

・関西電力(供給予定地域は近畿)
・東京電力エナジーパートナー(供給予定地域は関東)
・中部電力(供給予定地域は中部)
・九州電力(供給予定地域は九州)

の4事業者となります。

◆ 都市ガスの自由化で期待されること

電気自由化の際にも注目が集まりましたが、ガスの自由化では、一般家庭にとってどのようなメリットが生まれるのでしょうか。

(1)料金が安くなる可能性あり
小売事業者が増えた電力と同じく価格競争が起こり、ガス料金の水準が下がることが期待されています。

(2)サービスの種類や内容が多様化
顧客獲得のため、料金メニューやサービスなどが工夫されることが期待されています。経済産業省が推進するガスシステム改革のパンフレットには、「自由化で広がるサービス」として、

・ガスと電気のセット割引
・ポイントサービスや定額制

などが挙げられています。

現在、一般家庭への販売を予定している4つの登録ガス小売事業者はすべて電力会社であることから、毎月のガス料金とともに電気料金も節約できる「ガスと電気のセット割引」に期待がもてそうです。

また、ガスの小売自由化が進んでいる欧米諸国では、

・年間での単価固定
・年間での基本料金割引
・高齢者向け割引プラン

といった料金メニューやサービスも見られます。この先、日本でも同様のサービスを取り入れる事業者が出てくるかもしれません。

◆ガスの自由化はいいことばかりではない!? 懸念される事態とは?

ガス料金が下がったり、多様な付加サービスの充実といったような期待は大いに持てますが、残念ながら何事にも表裏があるものです。いくつか予想してみますと……。

(1)料金が高くなるかも!?
これまでガス料金の値上げには国の認可が必要だったため、急激な値上げが抑制されていました。しかし、これからはこうした規制も原則的に撤廃されるため、天然ガスの輸入コストの上昇などがダイレクトにガス料金に反映される可能性もあります。

(2)地域格差が生まれるかも!?
将来的に多くの事業者の参入が期待される大都市圏に比べ、地方では参入事業者の数の伸び悩みが懸念されており、選択できる事業者の数に地域格差が生まれるおそれがあります。

◆ガス会社を変更するとガス管も交換!? ガスの自由化の基礎知識ウソホント

こうした新たな取り組みが始まる時期には、真意が定かでない噂話のようなものがいくつも飛び交ったりします。間違った情報に踊らされないよう、現時点で判明している事実を踏まえて検証していきましょう。

●料金が安いガスは、品質が悪い
◎答え:ウソ
ガスの品質には基準があり、一定に保たれています。よって、料金によって品質が変わることはありません。また、既存の都市ガス会社と登録小売電気事業者とで供給するガスの品質に違いはありません。

●ガス小売事業者に変更すると、ガス管まで交換しなくてはならない
◎答え:ケースバイケース
現在、地域の都市ガス会社と契約している場合は、ガス小売事業者に変更してもガス導管の交換は基本的に必要ありません。簡易ガスやプロパンガス、オール電化からの変更の場合には、ガス器具(ガスコンロ、ガス給湯器など)の調整や買い替えのほか、導管の敷設などが必要となるケースもあります。

●契約したガス小売事業者が万が一倒産した場合、ガスはその時点でストップしてしまう
◎答え:ウソ
そうした場合にも、急にガスが止まることはありません。ガス導管を敷設した都市ガス会社からガスが供給される、セーフティネットも設けられています。

2016年12月12日現在で小売事業者が372となっている電力に比べ、ガスは参入障壁が高いといわれています。そのため、小売事業者数はなかなか伸びていきません。しかし、参入しやすい仕組みが今後整えられることも十分に考えられます。節約につながるお得情報を逃さないためにも、動向に注目していきましょう。



記事提供:@niftyでんき