電力節約のマメ知識

2017年03月06日

省エネ効果が高い「直管LEDランプ」は照明器具との組み合わせに要注意!

電気

従来の直管蛍光灯に比べ、消費電力が5割以上も削減されるという「直管LEDランプ」。省エネ効果が高い製品である一方、直管LEDランプには気をつけなければいけないことがあります。それは照明器具との組み合わせです。

◆東京消防庁も注意を呼びかける直管LEDと照明器具との組み合わせ

2016年7〜8月に、直管LEDランプに関連する火災が2件発生しました。どちらの火災も、直管LEDランプの組み合わせを誤ったことで出火したものでした。

また、LEDランプは蛍光灯より重く、蛍光灯照明器具に取りつけた場合、落下の危険があります。両側給電方式の直管LEDランプですと感電の恐れもあり、蛍光灯を直管LEDランプに取り換える際には、蛍光灯照明器具ごと交換することが推奨されています。

やむをえず直管LEDランプを従来の蛍光灯照明器具に取りつける場合には、適合する組み合わせかどうかの確認が肝要となります。

◆蛍光灯照明器具と直管LEDランプの種類

蛍光灯照明器具、直管LEDランプとも複数の種類があります。

●蛍光灯照明器具の種類:大きく分けて以下の3つに分けられます。
・グロースタータ式
・ラピッドスタート式
・インバータ(電子)式

●直管LEDランプの種類:こちらも以下の3つに大別できます。
・直流電源内蔵/商用電源直結形
・直流電源内蔵/既設安定器接続形
・直流電源非内蔵/直流入力形

この3タイプは、それぞれ両側給電方式と片側給電方式に分かれます。さらに、口金の形も、直管蛍光灯同様の「G13口金」のほか、「GX16t-5口金」、「R4口金」、「GZ16口金」があります。

「直流電源内蔵/商用電源直結形」と「直流電源非内蔵/直流入力形」については、配線工事を行い、蛍光灯器具を改造しなければなりません。

「直流電源内蔵/既設安定器接続形」は既設の蛍光灯照明器具にそのまま装着しても問題なく「グロースタータ式」、「ラピッドスタート式」、「インバータ式」があります。

◆直管LEDランプを取りつけるときに気をつけることは?

直管LEDランプの取りつけには以下のような注意が必要です。

(1)長期間使用した蛍光灯照明器具に直管LEDランプを装着しない
照明器具の寿命は8〜10年。長期間使用した蛍光灯照明器具は、すでに劣化が始まっていると考えられます。長い間使った蛍光灯照明器具は、可能であれば交換しましょう。

(2)口金が合っても器具の種類と合わないものは使用しない
前述のとおり、たとえ口金の形が同じで取りつけられても、器具の種類が合わなければ事故を起こす恐れがあります。直管LEDランプの種類や取りつけ上の注意を販売店や説明書などで確認しましょう。

(3)電圧・電流・状態を確認
直管LEDランプの電圧、電流が照明器具に合っているかということと、照明器具、直管LEDランプともに破損や劣化していないかを必ず確認しましょう。

(4)工事はプロに任せる
素人工事は大変危険です。照明器具の改造は電気工事のプロに任せましょう。

◆「直管LEDランプの安全性」の国際規格発行が安全性を高めてくれる

省エネ性能の高い直管LEDランプは、さらなる普及が求められています。そのため経済産業省では、一般照明用直管LEDランプの安全性についての日本工業規格(JIS)を2013年4月に制定。このJISを基礎として各国と協議し、2017年1月に国際規格(IEC62931)として発行されました。国際規格では、口金はLEDランプ専用の口金GX16t-5とし、ランプの落下防止や感電に対する保護なども規定されています。

国際規格が発行されたことで、蛍光灯照明器具にそのまま装着できる「G13口金」の直管LEDランプなど、規格に合わないタイプの製品は徐々に姿を消すことでしょう。しかし、現在はまだ多数の種類が市場に出ています。節電対策にぴったりな直管LEDランプを安全に使っていきましょう。