好きがつながるプロジェクト。「デイリーポータルZ」編集長林雄司氏が選ぶ、大人の自由研究には終わりがない、衝撃的でギルティな魅力ある個人ホームページ3選

大人の自由研究には終わりがない

こどもの自由研究には終わりがありますが、大人の自由研究は終わりがありません。本人が納得するまでずっと続きます。しかもその納得はどんどん先延ばしにされていきます。これが終わったら完成、そう思っていても次から次へとやりたいことが出てきて終わりません。なんて恐ろしい!

大人になっても自由研究する心を持つのは大事……そんないい話ではないと思います。
お金も時間もかけて、寝食を忘れて没頭する。誤解を恐れずに言うならば、自由研究は飲酒やギャンブルと同じぐらい依存性があるのではないかとにらんでます。それぐらいギルティな魅力があります。(私もデイリーポータルZで24年自由研究にハマってます)

これから紹介する3つのホームページも相当です。新書1冊読んだぐらいの満足感があります。どれも衝動でありながら続いている。
あまりの熱量に、一瞬これ儲かるのかな?と思ってしまったことを恥じました。生産性や効率なんてつまらないことではない。純粋な興味、人に伝えたい気持ちそのものです。無償の愛です。人生に必要なのは老後の資金じゃなくてこの衝動です。
この衝動を持っている人はある意味、王者と言っても過言ではないと思います。
そんな王者のホームページを襟を正して拝読していきましょう。

デイリーポータルZ編集長
林雄司

大人の自由研究が詰まったホームページ3選

  1. さっしいのホームページ
    「ぽこぺん都電館」
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  2. 「Ryu's Archives」
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  3. 「気ままに街道歩き」
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  1. 「ぽこぺん都電館」
    さっしいのホームページ

    デイリーポータルZ
    編集長
    林雄司氏

    質、量ともに圧巻のホームページです。都電を撮った写真がコメントとともにたくさん(予想の倍以上)掲載されていますが、都電のまわりの建物や人々に当時の空気感が溢れています。流行りの言葉で言えばエモいです。

    都電の車庫で部品を持って帰っていいと言われたこと、車掌に手を振っている子ども、買い物カゴを持った女性、空き地にいる犬。

    半世紀以上前の日常が写っていることがとてもとても貴重です。たまに写真に登場する友だちのK君も自分の友だちのように思えてきます。

    そんな情緒もありながら、時代ごとの運転系統図、停留所名の変遷が分かるようになっていて、鬼気迫るマニア魂も垣間見えます。

    かつての霞町交差点が西麻布交差点になっていることに納得がいってないらしく、「くたばれ西麻布」と言葉を荒げているのも超エモいです。霞町って呼びましょう!

    ホームページの紹介

    20世紀の最後の年に開設して以来25周年を迎えた、私鉄と路面電車を中心とする鉄道趣味サイトです。
    昭和後期に撮った鉄道写真を毎日1枚ずつ公開中で、現在2000枚を超え、2冊の本にもなりました。今後も平成以降の分を含め、あと数年は続く予定です。
    また、東京市電・都電や横浜市電に関する自作の資料を数多く紹介しています。昭和40年代のローカル私鉄探訪記も掲載中。掲示板では、その道に詳しい方々による、内容の濃いマニアックな鉄道ネタが語られています。

    このホームページを見る
    ぽこぺん都電館サイト画像
    ぽこぺん都電館サイト画像
    買い物カゴを持った女性

    買い物カゴを持った女性

    車掌に手を振っている子ども

    車掌に手を振っている子ども

    空き地の犬

    空き地の犬

    サイト管理者
    さっしいさん

    インターネットが少しずつ普及し始めた頃、何も分からぬままに、最初は自分が中学高校時代に撮った昭和40年代の鉄道写真(都電・玉電・大手私鉄・ローカル私鉄)を知人たちに見てもらいたくて自己流で開設しましたが、デザイン的なセンスが無いので苦労し続けています。
    公開後は掲示板が活況を呈し、新しい仲間も増えましたが、特に都電ファンが多かったので、サイトの内容も都電中心になって行きました。時々オフ会を開催しているうちに、いつしか月例行事となり、141回に達したところでコロナ禍により中断。自分も別の病を得てしまい、そのままになっているのが残念です。
    近年は毎日1枚ずつ、50年ほど前の写真を公開中で、相変わらず古いネガをスキャンしたり、画像を補正したりする作業に追われる毎日です。それでも運良く出版社の目に留まり、写真集として2冊の本が出版されたことは、大きな喜びとなりました。これも、ホームページを続けていたお蔭ですね。

  2. 「Ryu's Archives」

    デイリーポータルZ
    編集長
    林雄司氏

    スピーカーを自作しています。もう全ての工程が面白そうです。
    それが端的に表れているのが最初の部分。カットしてもらった木材に一部、カット漏れがあるんですね。でも特にクレームを入れることなく自分で切りはじめています。ノコギリをまっすぐ引くことができる装置を紹介したりして、そういうアンラッキーも楽しんでいます。前向きすぎます。

    そしてすいません!完成写真でちょっと笑ってしまいました。今回作ったスピーカー以外にもスピーカーがたくさんあるからです。でもこれぞ自由研究。必要だから作るんじゃなくて、作りたいから作る。

    最後にスピーカーを保護するためのネットを作っています。その理由は孫が来るから。
    「小さい子供は何でも加減せずに触りまくるので、スピーカーにとっては天敵のようなものです。」
    孫を無条件に受け入れるのではなく、やっぱりスピーカーも大事。そういう冷静なところにも惹かれました。

    ホームページの紹介

    ①自作スピーカーの製作記事

    スピーカーエンクロージャーの作成で工夫したところや使って便利だった工具などを紹介しています。図面や板取も公開しています。音の調整での成功事例や失敗事例も紹介していますので、参考にしていただければと思います。

    ②風景写真の紹介

    私が生まれ育った町(岡山県津山市)とその周辺地域のお気に入りスポットを紹介しています。多く人に訪れてもらえれば嬉しいです。

    ③自治会向け会計ソフト

    自分が町内会の会計を担当した際いに作製したソフトです。Microsoft
    Excelでマクロが使える環境が必要です。無料でご利用いただけます。

    このホームページを見る
    自作スピーカーの制作記事
    自作スピーカーの制作記事
    ryu_takaさんが生まれ育った町(岡山県津山市)の写真です。
    サイト管理者
    ryu_takaさん

    自分が設計したスピーカーに興味を持ってもらい、物作りの面白さを多くの人と共有できたら良いなと思いつくっています。
    また写真については、私が生まれ育った町(岡山県津山市)とその周辺地域のお気に入りスポットを紹介しています。

  3. 「気ままに街道歩き」

    デイリーポータルZ
    編集長
    林雄司氏

    タイトルの「気まま」とは裏腹に、歩いている街道がとにかく多い!
    東海道、中山道などのメジャーどころはもちろん、中原街道、成田街道、江戸市中引廻しの道まで歩いています。そして1日の移動距離が長い。20km以上歩いている日もあります。

    そして道中で見つけているネタもまた粒ぞろいです。
    舟木一夫ゆかりの地、日本一小さい東照宮、コートやフリースを着せてあるお地蔵様、どれも歩かないと出会えない意外さです。六郷水門に残っていた旧六郷町の町章は「9個の『ロ』が『郷』を囲む」でした。つまり、ロが9の郷、ろくごうです。分かったときはクーッと声が出ました。

    道中の描写はストイックですが、「新幹線を使用し始めてからどんどん高く膨らむ交通費は気になった」「心細くなり、クマ除けのベルを忘れていないことを再確認する」などたまにポロッと弱気が漏れるところに親近感が湧きました。あと青梅街道編のこの一文、「幸いトンネル内ですれ違った車は合計11台と少なく、無事に歩き通すことができた」。車の台数を数えていることに記録への情熱を感じました。

    ホームページの紹介

    五街道を始めとする旧街道歩きの記録のページです。
    歩いた道を記載したGoogleマップも表示できます。
    かなり以前の内容になった街道もありますが、これから歩く方へのご参考に・・・。

    このホームページを見る
    「気ままに街道歩き」サイト画像
    つまり、ロが9の郷、ろくごうです。わかったときはクーッと声が出ました。
    googleマップで訪れた場所にピンを立てています。作者の自然への想いが乗り移ってくるホームページです。
    サイト管理者
    とちめんやさん

    Googleマップにはかなり時間をかけて経路を記入しました。

これらのホームページは
@nifty ホームページサービスで作られています

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デイリーポータルZ
「デイリーポータルZ」とは

2002年に開始された「日常のどうでもいいこと」を大真面目に追求する老舗の読みものサイトです。
編集長の林雄司さんは元ニフティ社員で、ニフティ在籍時代にデイリーポータルZを立ち上げました。
実生活には全く役に立たない「無駄」なことへの圧倒的な熱量で「パンを光らせる」「鳩の視点になってみる」といった、ふとした思いつきを数日かけて検証し、淡々としたおもしろ記事に仕上げています。 SNSで毎年話題になる「地味ハロウィン」の発祥としても有名。過激さや効率を求めるネット文化とは一線を画し、独自の「ゆるさ」と「知的な観察眼」を貫くスタイルは、多くの熱狂的なファンに愛されています。

忙しい日常の中で、「世界にはこんなに面白い無駄があるのか」とホッと一息つける、ネット界のオアシスのような存在です。
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