電力節約のマメ知識

2016年09月26日

コーヒーや紅茶1杯分のお湯を沸かす値段はいったいいくら?

電気

 コーヒーやお茶を飲もうとした際、どのようにお湯を沸かしていますか。ガスコンロや電気ケトルなど各種ある中、1杯分だけお湯がほしいというとき、「どの方法が一番コストがかからない」のでしょうか。シミュレートを基に検証していきます。

◆電気ケトルのほうが電気ポットより多少割り増しだが沸騰時間は短い

 今回の検証に使うのは、電気ケトル、電気ポット、電子レンジ、ガスコンロ、電気(IH)で、カップ1杯分のコーヒーを作るのに必要な水(およそ150ml程度)が沸騰するまでにかかった熱量と時間を計測。電気およびガス料金の算出には、電気は新電力料金目安単価27円/kWh(※公益社団法人「全国家庭電気製品公正取引協議会」)、ガスは125.95円/m3(※東京ガス使用・1カ月あたりの使用量0m3から20m3までの場合・2016年8月)を基にしています。

 まずは電気ケトルで沸かした場合について見ていきます。電気ケトルは電気ポットと違い、すぐに沸騰するのが特長ですが、その分、消費電力も大きくなってしまうため、1杯分のお湯を沸かすのにかかるのは、約0.5円前後となります。

 電気ポットで沸かした場合は製品ごとに多少の違いはありますが、沸騰した際に消費電力が1,000Wかかるものを使用すると、およそ0.3〜0.4円(※電気ポット1回で沸かせる量からコーヒー1杯分を算出)。これは沸騰するまでにかかる電力から算出したものなので、沸騰した後に保温状態にすると電気代がそれだけ上乗せされていきます。

◆ガスコンロとIHに大差はないが契約プランとの組み合わせがカギ

 続いては、ガスコンロと電気(IH)を使った場合について。最近ではIH完備の住宅も増えてきているので、このあたりはかなり気になるところだと思います。

 まずガス代に関しては、夏か冬か、都市ガスかプロパンガスかといった諸条件で多少の誤差は生じるものの、1杯分のお湯を沸かすのにかかるガス代は、約0.4円前後(※中火で過熱した場合)となりました。

 ただし、やかんとガスコンロの組み合わせでは沸かしすぎてしまったり、逆に沸かしたりなかったりするケースもあるため、今回計測した以上のガス代になる可能性もあります。

 IHクッキングヒーターを使用した場合は、コーヒー1杯分のお湯を沸かすのにかかるのは約0.3円前後。料金的にはガスコンロと大差はありませんが、沸騰までにかかる所要時間がガスよりも早く、熱効率は高めのようです。また、オール電化専用電気料金プランなどを活用すれば、さらなる節約の可能性が広がるでしょう。

◆少量のお湯を沸かすのにもっとも割安で時短なのは電子レンジ

 最後は電子レンジです。「少量のお湯を沸かすなら電子レンジがお得」という話をよく耳にしますが、実際に600Wの電子レンジで1杯分のお湯を沸かしてみたところ、およそ0.3円という数値がはじき出されました。

 電子レンジに関してはW数によっても違いは出ますが(※500Wでは0.7円前後)、電力がかさむようでいて、実は少量のお湯を沸かすだけなら意外とかからないということがわかりました。

 今回の結果を見ると、単純に料金面では電子レンジ、IH、電気ポット、ガスコンロ、電気ケトルという順になります。いろいろな条件などもありますが、通勤・通学前など時間があまりないときは、電子レンジで沸かすのがもっとも節約でき、さらに沸騰までの時間も1分前後と時短にもなるようです。

 ちなみに、一般的なコーヒーメーカでは、豆をひく際も電気代が発生するので、コーヒー1杯分を作るのに約0.7円かかりました。

 電気代は時間帯などによる割引や、ガス代の変動などもあるので一概に今回の検証がすべてではないですが、ご参考までに。

※記事内容はあくまで検証に基づいたもので、必ずしも効果などを約束するものではありません。

記事提供:@niftyでんき