電力節約のマメ知識

2016年09月26日

見方(読み方)が難しい電気料金の請求書は、ここに注目!

電気

 電力会社から毎月送られてくる電気料金の請求書ですが、請求金額以外の項目を皆さんはどこまでチェックされていますか? 専門用語の羅列でわかりにくい請求書の攻略こそ、節電の第一歩なのでは?

◆使用した電気のすべてが記載された請求書は、電気契約を再確認する“虎の巻”

 電気料金の請求書を見て、数字と文字が並ぶ一覧に「わかりにくい!」と思われた経験は誰でもあることでしょう。ですが、この請求書には各家庭で使用した“電気のすべて”が記載されている、といっても過言ではありません。

 では、何をどう見ていけばいいのでしょうか。見方の基本パターンさえ把握してしまえば、何も難しいことはありません。代表的な東京電力の請求書を例に、見るべきポイントを整理していきましょう。よろしければ電気料金の請求書をお手元に置き、見比べながらお読みください。

【ご使用量】
 その名のとおり、当月の電気使用量を表します。単位は聞き慣れない「kWh」(キロワットアワー)ですが、その意味を理解する必要はありません。速度や距離を表す「キロ」「メートル」と同じようなものなので、単に前月や前々月と比較して多いか少ないか、その判断基準なのだと考えましょう。

【ご契約種別】
 契約中の料金プランを示します。標準的なプラン「従量電灯」と記載されているご家庭が大半でしょう。これは、24時間いつでも同じ電気料金のプランです。 ちなみに、東京電力の場合は、ほかに「朝得プラン」「夜得プラン」「半日お得プラン」「土日お得プラン」など、時間帯や曜日別に電気料金を変更するプランもあります。

【契約アンペア数】
 わかりやすくいえば「ブレーカーの最大容量」のことです。この契約アンペア数を超える電気を使用した場合、「ブレーカーが落ちた」状態となり、一時的な停電となるわけです。契約アンペア数が大きいほど基本料金も割高になるので、一概に「大きければいい」ものではありません。

◆使えば使うほど電気代が跳ね上がる“段階制料金”とは?

 ここから先は請求書の文字も小さくなり、いよいよ難解な雰囲気ですが、実は節電のキモが隠された項目でもあるのです。

【料金内訳/電力量】
 「1段料金」「2段料金」「3段料金」と「???」な項目が並んでいますが、これは大手電力会社が共通採用している「段階制料金」を意味します。 東京電力で従量電灯Bプランの場合は、以下の基準が目安になります。

・1段料金:使用量120kWhまで/1kWhあたり19.52円
・2段料金:使用量120〜300kWh/1kWhあたり26.00円
・3段料金:使用量300kWh超/1kWhあたり30.02円
(※2016年8月現在)

 たとえば使用量が200kWhなら、19.52円*120kWh+26.00円*(200-120)Kwh=19.52*120+26.00*80=2342.4+2080=4422.4円となるわけです。

 つまり、段階制料金とは「使えば使うほど電気料金の単価は高くなる」ことを意味します。多く使うほど安くなると考えがちですが、電気料金はその逆だと覚えておきましょう。

 見方を変えれば、当月の使用量が120kWh/300kWhを超えるかどうか、細かくチェックしていれば電気料金を抑えられるかもしれないということです。

【料金内訳/燃料費調整】
 この項目は、火力発電所で使用する燃料費(石油やガスの使用料)を反映させた金額です。石油やガスといった原料の価格に左右されるため、時期や電力会社ごとに異なります。

【料金内訳/再エネ発電賦課金】
 現状では高コストになることが多い再生可能エネルギー費用を、国民全体で分担するための課金です。理論的には、再生可能エネルギーの開発&低コスト化が進めば安くなるはずですが……。

 上記のほかに、前年同月の電気使用料との比較も記載されています。「1日あたり*%増加(減少)しています」などと説明もあるはずなので、同じ季節の電気料金比較を節電に役立てましょう。

 こうして請求書の見方がわかれば、「何をどう節約すべきなのか」の目安にもなります。節電を考える前に、まずはご家庭で使われた電気量を知ることから始めましょう。



記事提供:@niftyでんき