電力節約のマメ知識

2016年10月19日

点灯時間が長い門灯・玄関灯は、意外なほど電気を消費している!?

電気

 節電のためには消したいけれど、防犯のためには点灯しっ放しにせざるを得ないケースも多い門灯や玄関灯。いったいどれほどの電気(電気代)を消費しているのか、タイプ別に検証してみましょう。

◆電気料金と購入費だけを考えるなら、門灯・玄関灯には電球型蛍光灯がベスト?

 門灯や玄関灯が備え付けられた家庭では、どのように運用しているでしょうか。

防犯を考えて夜間は点けっ放し?
訪問者があったときだけ点灯する?
夕方から点灯し就寝時に消灯する? 

など、さまざまな考え方があると思いますが、こうした門灯や玄関灯、実は意外なほど電気を消費しているのです。

 従来の門灯や玄関灯は、60W程度の電球(白熱灯)を使用するケースが大半でした。こうした門灯・玄関灯を18時〜翌朝6時まで10時間点灯した場合、1カ月間の電気使用量は約18kWh、電気料金は400円弱になります。缶コーヒー3本ちょっとの電気代を、高いと思われますか? それとも安い?

 また、電球には「電球型蛍光灯」と呼ばれる節電用電球もあります。通常の電球(白熱灯)が真ん丸な形状なのに対し、多少いびつな、ソフトクリームのような形をしているものです。

 こちらは白熱灯60Wに相当する「60型」で、消費電力は白熱灯の10W並。前述の10時間点灯を続けた場合、1カ月の電気使用量は約3kWh、電気料金は70円ほどと、白熱灯の1/5以下になります。 近年になって急速な普及が進むLEDも、消費電力は電球型蛍光灯と同等です。

 販売価格が「白熱灯<電球型蛍光灯<LED」であることを考えると、点灯時間が長い門灯・玄関灯には、電球型蛍光灯がベストな選択に思えてきます。が、実はそうとも言い切れないのです。

◆1カ月の電気代が70円で11年間使えるLED。センサーライトとのコストパフォーマンス勝負は微妙?

 点灯時間が長いということは、それだけ電球の寿命が早く来ることを忘れてはいけません。門灯や玄関灯の電球が切れたまま、気づかずにいる家を見かけたことがある方も少なくないでしょう。

 白熱灯の寿命は、おおよそ1,000〜2,000時間といわれています。つまり、1日10時間の点灯なら平均すると150日=5カ月という数値が算出されます。

 一見お得に思えた電球型蛍光灯の寿命は、約13,000時間。1日10時間の点灯だと、1,300日=43カ月=4年ちょっとで切れることになります。

 対してLEDは、約40,000時間。日数でいえば4,000日ですから、133カ月=11年という長さになります。これなら、門灯や玄関灯の電球が切れているかどうかを気にかける必要もないでしょう。むしろ、長寿命すぎて交換の目処を忘れてしまうかもしれません。

 実際のところ、屋内で小まめに点灯・消灯を繰り返す電球にLEDを使っても、費用対効果はさほど高くありません。が、長時間点灯が必要な門灯・玄関灯では、LEDの長寿命なコストパフォーマンスを最大限に発揮させるこということができます。

 近年はセンサーライトを設置している家も増えましたが、その設置を業者に依頼すると数万円かかります。LED購入費+1カ月およそ70円の電気代と数万円の設置費用を天秤にかけた場合、どちらがお得か判断の難しいところではあります。

 とはいえ、「人が近づくと点灯する」センサーライトには、防犯上のメリットも見逃せません。点灯し続ける照明よりも、「近づくと点灯する」照明のほうが、侵入者に対する心理的影響が大きいとも考えられますから。こうした条件も加味しつつ、皆さんも門灯・玄関灯の在り方を見直されてみてはいかがでしょうか。



記事提供:@niftyでんき