電力節約のマメ知識

2016年10月19日

電気が漏れると電気料金が高くなる!? 「漏電」に気をつけよう

電気

 水漏れの場合、漏れた分も水道料金にしっかり反映されますが、漏電の場合も電気料金は高くなるのでしょうか。その疑問を解消するため、漏電の発生原因や確認方法、防止対策を、生活の中で気をつけたいポイントとともに見ていきましょう。

◆漏電はなぜ起こる? 気をつけたいポイント

 通常、電気配線や電気機器などの電線は、電気が外部に漏れないように、電気を通さない素材のチューブやテープなどで覆って絶縁処理されています。しかし、覆っているチューブやテープが傷ついたり老朽化したりしてはがれると、外部に電気が流れ出てしまいます。これが「漏電」です。

 また、防水性のない電気機器やコンセントなどが濡れてしまった場合も、絶縁が悪くなり漏電が起こります。結露や雨漏り、洗濯機の下部に溜まった水などにも注意が必要です。

 さらに、

・適切でない電気工事
・アースの不使用や誤使用
・コンセントとプラグのすき間のホコリと湿気
・ネズミなど小動物による電気配線の破壊
・塩害
なども、漏電の発生原因として知られています。

 感電事故や火災にもつながる漏電は、非常に危険な現象です。電気機器や配線などの素人修理は絶対にしない、アースを正しく使う、こまめに掃除する、ネズミの駆除など、生活の中でできることから気をつけていきましょう。

◆漏電ブレーカーが事故や火災、電気料金への反映を防ぐ

 では、漏電が起きているかどうかを確認するにはどうしたらいいのでしょうか。それにはまず、分電盤をチェックすることから始めてみてください。

 一般家庭に備えつけられている分電盤は、

・契約電流を超えた電流が流れたときに電気を遮断する「電流制限器(アンペアブレーカー)」
・ショートや使いすぎによって許容電流を超えた電流が流れたときに電気を遮断する「配線用遮断器(安全ブレーカー)」
・電気配線や電気機器が漏電を起こしたときに電気を遮断する「漏電遮断器(漏電ブレーカー)」

という3つがまとまっている形式のものが主流です。

 もし漏電が起こっても、上記のうちの漏電ブレーカーが正常に作動すれば、感電事故や火災を防ぐことが可能です。自動的に電気が遮断されるので、電気料金が高くなるということもありません。

 万が一、分電盤に漏電ブレーカーがない場合には、早めに取りつけることをオススメします。

 漏電ブレーカーには、工事が不要な「コンセント差し込み型」もあります。電気機器の電源コードを差し込むだけで使えるので、洗濯機など水を用いる電気機器などに使えば、分電盤の漏電ブレーカーとダブルの漏電対策となります。

 また、漏電ブレーカーそのもののチェックも忘れずに行って、いつも正常に働くようにしておきましょう。

◆もし漏電ブレーカーが作動したら?

 漏電ブレーカーが作動して電気が遮断されたときには、次の手順で漏電している回路を特定します。

(1)漏電ブレーカーのみ「切」になっている状態か確認します。

(2)アンペアブレーカーが「入」になっていることを確認してから、回路ごとの安全ブレーカーをすべて「切」にします。

(3)漏電ブレーカーを「入」にします。

(4)回路ごとの安全ブレーカーをひとつずつ「入」にし、再び漏電ブレーカーが「切」になった回路に漏電の疑いがあります。複数の回路で漏電しているケースもあることから、(1)〜(4)を繰り返してすべての安全ブレーカーをチェックしましょう。

(5)すべての安全ブレーカーを確認したら、漏電が疑われる回路の安全ブレーカーのみを「切」にして、その回路がつながれている電気機器やコードを確認します。

(6)故障や破損している電気機器やコードを見つけたらコンセントから抜きましょう。そのうえで、漏電が疑われる回路の安全ブレーカーを「入」にします。漏電ブレーカーが「切」にならなければ復旧完了、「切」になるようなら「切」の状態のまま、契約中の電力会社に相談しましょう。

 漏電ブレーカーが正常に作動すれば電気料金が高くなることはないとはいえ、漏電は命にもかかわる感電事故や火災を招くものです。一方で、心がけしだいで防ぐことができるもの。普段から漏電の発生原因を取り除いて、安心、安全な生活を送りましょう。



記事提供:@niftyでんき