電力節約のマメ知識

2016年11月21日

テレビやレコーダーなどAV機器はコンセントに挿しっぱなしでいい?

電気

 “節電”を意識する際に気になるポイントである、テレビやブルーレイ(BD)レコーダーなどAV機器の待機電力はどのくらいなのか、その都度コンセントから抜き差ししたほうがいいのかについて考えてみましょう。

◆テレビの待機電力はわずか。コンセントの抜き差しは気にしなくてOK

 「節電」や「待機電力」の説明を目にした際、必ず注目されるのがテレビやBD・HDD・DVDレコーダーなどのAV機器です。それだけ「家庭に必ずある電化製品」だということですから、待機電力が気になって当然です。

とはいえ、大半の方はコンセントを抜き差しせず、リモコンで電源オフにしているだけではないでしょうか。

結論から先に言いますと、それでOKです。

テレビは、数多い家電の中でも省エネ化がもっとも進んでいる製品のひとつです。特に近年の薄型液晶テレビであれば、1時間あたりに使用する待機電力量(Wh)はわずか0.01〜0.03Whほど。仮に、24時間365日テレビを待機状態にしていたとしても、0.03×24×365=一年間でたった262.8Whです。現在東京電力の従量電灯B契約のご家庭ですと、毎月1kWhあたり26円払っています(月の電気使用量が120kWh?300kWhまでの場合)。これを元に計算すると0.2628kWh×26円=6.8328円。年間トータルでも電気代は6?7円に過ぎません。

また、コンセントを抜き差しすると、必然的に主電源で電源のオン&オフを行うことになりますが、その際の電気消費量がリモコンで電源をオン&オフするより多いことも忘れてはいけません。オン&オフの機会が多いテレビでは、この差だけで待機電力分を消費してしまう可能性もあります。

機能面に目を向ければ、主電源が切れてしまうと、EPG(番組表)の更新もできなくなります。待機電力だけを気にするのではなく、トータルで省エネを考えるべき機器がテレビだともいえそうです。画面の明るさを暗めに調節するほうが、よほど節電になることも覚えておきましょう。

ただし、テレビの省エネ化が急速に進んだのは、ここ5年ほどの話です。たとえば10年前のテレビであれば、待機電力もそれなりに多いと思ってください。ネット上で見かける「テレビの待機電力は年間1万円」などという情報は、こうした古い機器を基に計算されたものなのです。

◆BD・DVDレコーダーをコンセントから抜くと、さまざまな弊害も

 では、テレビとともに使用機会が多いBDやDVDレコーダーの場合はどうでしょう。

こちらは、コンセントから抜くと予約録画などの情報がすべてリセットされてしまい、予約時間になっても録画は始まりません。なので、基本的に「コンセントを抜くことはNG」だと思ってください。

最新のBDレコーダーでは高速起動モードなど特殊な設定をしていない限り、待機電力も0.05Whほどと省エネ化が進んでいます。こちらも一年待機させ続けても10円程度の電気代ですから、必要以上に気にすることはありません。むしろ、本体ディスプレイの表示輝度を下げるなどの設定をしたほうが効果的です。設定メニューには必ず省エネ項目があるはずなので、細かくチェックしてみましょう。

テレビやレコーダーには、BSアンテナへの電源供給という役割もあります。皆さんがお使いのBSアンテナに、電源が必要なことはご存知でしたか?

テレビやレコーダーのコンセントを抜くと、BSアンテナへの電源供給も止まり、BS放送を受信することができなくなってしまいます。複数のテレビやレコーダーをお使いの場合、1台のコンセントを抜いたばかりに、他のテレビやレコーダーでBS放送が受信できなくなる可能性もあるので注意しましょう。

テレビ周りでいうと、サラウンド5.1chなどのため、AVアンプを利用されている方も多いかもしれません。大きくて重いアンプは待機電力も多いのでは……と思いがちですが、アンプは未使用時に稼動する機能がほとんどありません。

つまり、待機電力は「ほぼゼロ」。こちらも、いちいちコンセントを抜き差しする意味はありません。

以上のことから、AV機器は待機電力を気にせず、コンセントに挿しっぱなしでOKだと考えましょう。テレビ裏など抜き差しがしにくい位置のコンセントを使っていても、節約・節電に大きな差はなく大丈夫なので、ご安心を。



記事提供:@niftyでんき