電力節約のマメ知識

2017年01月06日

冬の節電に最適! 体感温度を上げる加湿器を活用

電気

冬の暖房時、エアコンの設定温度を1℃下げると、消費電力は約10%削減されるといわれています。エアコンの消費電力を減らして電気代を節約しながら、暖かく過ごしたい。そういったとき、心強い味方となるのが加湿器です。

◆体感温度の決め手のひとつ「湿度」

「体感温度」とは、人間が感じる寒さや涼しさ、暑さや暖かさの度合いを数量的に表したものです。気温だけでなく、風速などの気象環境条件や年齢などの人体条件の影響を受けます。

なかでも、空気中の水分の割合である「湿度」は、体感温度を決める重要な条件のひとつ。一般的には、湿度が低くなると寒さや涼しさを感じるとされます(湿度をもとに体感温度を計算するミスナールの式によれば、気温が10℃以上のときは湿度が上がるほど暑く感じ、10℃以下のときは湿度が上がるほど寒く感じるとされています)。

また、日本の冬は、気温も湿度も低い傾向にあります。では、湿度が低くなると寒く感じるのはなぜでしょう。

汗は蒸発するときに、体の熱を奪います。汗をかくのは夏だけではありません。冬でも少量の汗をかいています。湿度が低い冬は、空気が乾燥していることから汗の蒸発も盛んになり、体の熱が奪われやすくなって寒く感じるのです。

体感温度を求める計算式は多岐に渡りますが、各エアコンメーカーが快適な湿度の目安として設定している値は、50%前後とされています。体感温度が上がるだけでなく、肌の乾燥やウイルスの飛散を防ぎ、カビや結露が発生しづらいとされる値でもあります。

◆「湿度」が握る節電のカギ

環境省や資源エネルギー庁が推奨する冬の室温は20℃です。では、普段21℃にしていたエアコンの設定温度を、1℃下げて20℃にした場合の節電効果はどのくらいあるのでしょうか。

財団法人省エネルギーセンターのデータによると、年間で、

・電気53.08kWh、原油換算13.38Lの省エネ
・約1,170円の電気代節約
・CO2削減量25.9kg

※ 外気温度6℃の時、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間:9時間/日)

となっています。

裏を返せば、肌寒いからといってエアコンの設定温度を気軽に上げていると、1℃上げるごとに相応の電気代がかかってくるということです。

そこで活用したいのが、湿度を高くし体感温度を上げる加湿器です。

◆加湿器 節電効果で選ぶならどの種類?

現在広く流通している加湿器は、主に4種類あります。

(1)気化式
水を吸い上げたフィルターに風を当てて気化させる形式
【主な長所】:消費電力が小さい
【主な短所】:スチーム式に比べて加湿能力が低い傾向

(2)超音波式
超音波で水をミスト化する形式
【主な長所】:手軽で消費電力が小さい
【主な短所】:除菌機能がない機種は衛生面に不安

(3)ハイブリット式
スチーム式と気化式、またはスチーム式と超音波式を組み合わせた形式
【主な長所】:比較的すみやかに加湿でき、スチーム式より消費電力が小さい
【主な短所】:価格が高い傾向

(4)スチーム式
水をヒーターで加熱し蒸気にする形式
【主な長所】:勢いよく加湿でき、加熱するので衛生的
【主な短所】:消費電力が大きい

節電効果に注目して選ぶなら、木造和室5畳/プレハブ洋室8畳に対応する加湿量300ml/hで、消費電力わずか8W程度の機種もある気化式が最適です。

設置を予定する部屋の広さに合わせた加湿能力や、メンテナンスのしやすさなども加味して、機種を選ぶとよいでしょう。

◆電気不要の「自然気化加湿器」を活用

さらに高い節電効果を求めるなら、電気を必要としない「自然気化加湿器」がオススメです。特殊繊維などから作ったフィルターで水を吸い上げ、気化させるというもので、さまざまなデザインがあり、インテリアとしても楽しめます。

また、加湿器にかけるお金も節約したいということなら、

・洗濯物を干す
・鍋料理をする
・観葉植物を置く

といった、昔ながらの方法で湿度を上げるのもいいのでは。エアコンの電気代を節約しながら暖かく過ごすために、この冬は「湿度」に注目し、加湿器を活用してみてください。



記事提供:@niftyでんき