電力節約のマメ知識

2017年02月08日

購入価格が高いLED電球は本当にコスト回収できる?

電気

価格がこなれてきたとはいえ、従来の白熱電球に比べると高価なLED電球。どれぐらい使えばコストの差額を回収できるのかを、白熱電球からLED電球に変更する際の注意点とともに考えてみましょう。

◆白熱電球とLED電球の購入コスト差は、1年間の電気代差額で回収可能!

「節電のためにLED電球を!」と言われ始めた当時は数千円もしたLED電球ですが、近年は価格も下がり、1,000円〜2,000円ほどで購入できるようになりました。路上を見ても、今や街灯の大半がLED化されていることにお気づきでしょうか。

とはいえ、ひとつ200円以下の白熱電球と比べれば、まだまだ高価なことも確かです。およそ5倍〜10倍のコストが気になり、本格的な導入に踏み切れないご家庭も多いのでは?

LED電球の売りは、なんといっても「節電」です。

当サイトでもおなじみの「消費電力」を比べてみても、LED電球は白熱電球の約5分の1。一般的な60W型を例に取ると、白熱電球の54Wに対し、LED電球はわずか10W。“消費電力が少ない=電気を食わない=電気代が安く”なることは明らかです。

では、具体的にどれぐらい安くなるのかを、点灯時間が1日6時間として、1カ月間の電気代に換算してみましょう。

・消費電力差44W×6時間×30日=7.92kWh(キロワットアワー)
・電気代:1kWhあたり19円52銭(東京電力/従量電灯Bプランの場合)
・7.92kWh×19円52銭=154円60銭

月に約154円、年間で1,855円ほど、LED電球のほうが安くなるとわかります。

白熱電球とLED電球の購入差額が1,500円とすれば、1年足らずでコスト回収が可能になる計算です。以前は回収までに何年もかかるといわれましたが、ここ数年で状況が大きく変わりつつあります。

◆ LED電球のほうが白熱電球よりも耐久面でも有利

また、白熱電球とLED電球では、耐用年数にも大きな差があります。

一般に、白熱電球の寿命は1,000時間、LED電球の寿命は4万時間と言われています。1日6時間の点灯ならば、4万時間=6,666日(約18年)です。

一方、白熱電球(寿命1,000時間)を4万時間使うためには、電球40個が必要です。1個180円で計算すると、7,200円かかります。

LED電球なら1個(2,000円以下)だけですから、購入費用だけを見ても、18年間で5千数百円ほど、LED電球のほうが安上がりになるわけです。

◆トイレや洗面所のように短時間しか点灯しない場所では、白熱電球も立派な現役照明

このように、数字上はLED電球のほうがお得なことは明らかです。でも、実際に購入する際は、200円以下の白熱電球と2,000円近いLED電球という目前でのコスト比較で、悩ましい選択になるのでは。

点灯時間が長い場所なのか、トイレや洗面所のように短時間しか点灯しない場所なのかによっても、考え方は変わってきます。長く点灯し続ける場所ほどLED電球のメリットが活かされるので、ケースバイケースで考えましょう。「何が何でもLED電球にしなければいけない」わけではありません。

ちなみに、LED電球の明るさは「W(ワット)」ではなく、「ルーメン」という単位で表されます。ご家庭で使う電球は40Wか60Wですから、ルーメンは以下の数値を参考にしてください。

*一般電球タイプ(口金E26など)
・40W=485ルーメン
・60W=810ルーメン

*小型電球タイプ(口金E17など)
・40W=440ルーメン

最近のLED電球には「白熱電球*W相当」と書かれている製品が多く、以前ほど、購入時にルーメンを気にする必要はないかもしれません。

また、従来のLED電球は下方向にのみ明るく、白熱電球に比べて周辺が暗くなるという弱点も指摘されていました。しかし、最近のLED電球は改良が進み、光の広がり方に関しても白熱電球と遜色ない製品が増えています。

このような改良型は「広配光タイプ」などと呼ばれ(メーカーによって名称が異なります)、いわば万能型のLED電球といえます。こうした製品を選ぶと、白熱電球からの変更でも違和感なく使えるでしょう。



記事提供:@niftyでんき