電力節約のマメ知識

2017年03月06日

エアコンの「○〜△畳用」表記、その意味と見方は理解している?

電気

家電量販店の売り場で見かける「○〜△畳用」 という能力表示。多くの人は「○畳の部屋向け」と思っているかもしれませんが、エアコンの場合、実はちょっと違います。では能力表示はどのような意味を持ち、どう見ればいいのでしょうか?

◆エアコンの「○〜△畳用」が示しているのは建物の種類の違い

家電を購入する際、皆さんが注目するポイントはどこですか? 必要十分な機能であるかどうかはもちろん、色や形といったデザイン、なにはともあれ価格重視という人もいるでしょう。

そうした中、知っていそうで知らないのがエアコン売り場などでよく見かける「○畳用」という表記。あれは部屋の大きさを意味しているのではなく、実は前後の数値で表しているものが違うのです。たとえば、「6〜8畳用」と書いてあった場合、

・6は「木造住宅なら6畳が目安」
・8は「鉄筋コンクリート造住宅(以下、RC造住宅)なら8畳が目安」


ということを意味しています。つまり、単純に6〜8畳の部屋向けということではなく、暮らしている建物の種類に応じて、見るべき数字を変えなければなりません。かなり勘違いしやすいポイントなので、十分注意しましょう。

◆住んでいる建物が木造かRC造かで見るべき数値が変化

そうはいってもエアコンを選ぶときは、部屋の大きさに合ったものを選びたいもの。ではどうすればいいかというと、まずは自分が住んでいる建物が、木造なのかRC造なのかをチェックしておきましょう。

木造住宅で暮らしているのであれば、能力表記内にある「畳数のめやす」という欄に書かれた左側の数字を参考に、RC造住宅の人は「〜」の後ろにある右側の数字を目安に機種選びしてください。

木造とRC造で数字が違うのは密閉率が関係していて、木造よりもRC造の方が密閉率が高いため、表記に差が出てくるのです。

なお、畳数の数値はRC造の場合、冷房と暖房で表記されている数字が異なるケースをよく見かけますが、そういうときは暖房の数値を目安に選びましょう。その方がエアコンを効率よく利用できる可能性が高まります。

◆「期間消費電力」や「低温暖房能力」も購入時には要チェック!

その他の表記についても、注目しておきたいポイントに絞って、簡単に説明しておきましょう。

まず、畳数の右側の欄に書かれていることが多い「能力(kW)」は2段で表記されていますが、上段の2.2や2.5といった数値はエアコンの標準パワーを示しています。その下にある括弧内に書かれたものは、そのパワーが作用する範囲を表した数字です。

上段の数字は、数値が大きいほど広い部屋に対応できることを表します。下段に関しては、最少の数値(下段左側)が小さいほどきめ細やかな運転に期待でき、最大の数値(下段右側)が大きいほど素早い冷暖房の効きが望めます。

また表の左上に書かれていることが多い「期間消費電力」は、冷暖房を1年間使った場合に消費する電力の目安。ここに1kWあたりの電気料金をかけ合わせれば、年間にかかる電気代をおおよそではありますが試算できます。

ただし、使用条件や住居環境によって電力量は変動するので、あくまでも参考程度にとどめてください。

さらに、表内の左下に書かれた「低温暖房能力」もチェックしておくといいかもしれません。これは外気温が2℃だった場合に出せる能力に関するもので、この数値が大きいほど暖房能力に優れていると判断できます。エアコンは冷暖房のどちらでも使うものなので、季節を問わず、購入時には見ておきたいポイントのひとつです。

能力表示を正しく理解し、部屋の大きさにあったエアコンを選ぶことが節電・節約への第一歩です。