電力節約のマメ知識

2017年03月06日

キッチン用アルミテープを使った照明機器のお手軽節電術

電気

100円ショップで購入できるキッチン用品が、賢い節電グッズに早変わり!? どのご家庭にもあるアルミテープやアルミホイルを利用した、簡単&効果的な節電対策を考えてみましょう。

◆蛍光灯の効率は、反射板を白色よりも銀色にした方が高まる!

皆さんが節電を考える際に、まず目が行ってしまう照明器具。蛍光灯を全灯つけるのではなく、少し暗いのは我慢して1灯減に……など、小まめな節電対策を心がけていらっしゃる方は多いはず。

そんな照明に、「反射板」と呼ばれるパーツがあることはご存知でしょうか。

わかりやすく言えば、蛍光灯の後ろ側にある、白色に塗装された部分のことです。切れた蛍光灯の交換時によく見ると、半円形や三角形などの加工が施されていることに気づかされるはずです。

反射板には光を反射&拡散させ、周囲をより明るく照らし出す効果があります。半円形や三角形など形状が異なる理由は、照明器具のスタイルによって、より効果的な反射効果を狙っているからです。

さて、今回のテーマは、こうした反射板の「色」についてです。

家庭用照明の反射板は、白色に塗られている器具が大半です。ところが、業務用の照明器具には、銀色に塗装されている製品もあります。これは光の反射率を高める工夫で、反射板メーカーのテスト結果を参照すると、以下のような違いがあります。

・白色の反射板:反射率60%
・銀色の反射板:反射率70%
・業務用の特殊な反射板(銀色):95%

つまり、白色よりも銀色の方が、光を効率よく反射してくれる=明るくなるわけです。では、家庭用・照明器具の反射板は、なぜ白色ばかりなのでしょう。

定説では見た目の優しさを意識して……とされていますが、白色の方が“キレイに見えて高級感もある=売れやすい”という、メーカーの意図もありそうです。

◆蛍光灯の反射板にアルミテープを貼り付けるだけで節電効果アップ!

いずれにしても、反射板を白色から銀色に変えた方が、節電効果が高まることは明らかです。光の反射効率が高まれば、少し暗い照明でも、明るい照明と同等の明るさを得られるのですから。

そこで登場するのが、ご家庭で使われているアルミテープやアルミホイルです。自炊は絶対にしないというような方でなければ、キッチンに1〜2本は必ず常備されているのではないでしょうか。

反射板を銀色にすればいいのですから、蛍光灯の後ろ側の部分に、このアルミをペタペタと貼ってみましょう。貼り付け面にシワがないほど反射効率は高まるので、アルミホイルよりもアルミテープの方が便利です。

その際、電極部(両端部)や真後ろの部分だけは、高熱になりすぎるためアルミテープを貼らないように!

貼ってみたら、作業前と光の加減を見比べてみてください。反射板が白色だった頃は、蛍光灯全体が、周辺部分まで明るかったはずです。

白色の反射板では、光が上方にも拡散されます。つまり、室内=蛍光灯の下部だけでなく、蛍光灯の上方や周囲にも光が逃げてしまう。直視した蛍光灯が明るく見えたのは、そのためです。

一方、反射板を銀色にすると、光が上方や周囲に逃げず、下方だけに向かいます。同じ光量でも、効率よく室内を照らし出せるわけです。

反射板を白色から銀色に変えた際の照明効率は、最大30%増ともいわれます。あまり効果を感じられなかった場合は、アルミテープの貼り方を工夫してみましょう。

反射板が銀色の蛍光灯は、たしかに見た目がそれほど良くはありません。見た目を重視するか、節電効果を選ぶか、場所によって使い分けるのもいいでしょう。お客さまが目にする応接間など、見た目が気になるような場所は、白色のままにしておいてもいいかもしれません。