電力節約のマメ知識

2017年03月29日

消し忘れ防止用の家庭内センサーライトは、本当にお得なの?

電気

防犯用として玄関灯などに使われる「センサーライト」ですが、照明の消し忘れ防止にも有効だと、屋内での利用も増えています。用途がさらに広がりつつあるセンサーライトについて、そのお得具合を探ってみましょう。

◆センサーライトの仕組み

皆さんのご家庭やご近所でも、玄関灯や車庫灯などに人感式センサーライトが取り付けられているケースを目にされるでしょう。人の動きを感知して、パッと光る。防犯対策には、まさにうってつけです。

こうした人感センサーには、熱、光、音波などさまざまな感知機能があります。レーザー光線のようなものを発したり、レーダーのように電波で感知しているのかと思いがちですが、家庭用照明で使われるセンサーの多くは感熱式。周囲との温度変化を感知し、動作する仕組みになっています。

そのため、ネコのような小動物が横切っただけでも反応します。

逆に、感知エリア内の人が身動きしなければ、周囲との温度変化が起きないので、発熱していても消灯します。照明がついたり消えたりするのは、そのためです。「人がいれば必ず点灯」しているわけではないことも、覚えておきましょう。

また、熱源が近くにあったり、温度が常に高い場所では、誤動作も生じます。こうした特性から、屋内よりも屋外向きだと考えられてきましたが、近年はセンサーの感知機能も上がり誤動作も減っています。

◆センサーライトの導入で節電が感じられるケース

であれば、「勝手に消える」機能を屋内照明にも応用できるのでは? 「電気の消し忘れ」=節電対策に有効なのでは? と考える人が出てくるのは自然な流れです。

階段やトイレ、洗面所、浴室など、屋内にもセンサーライトを設置したい、電灯を消し忘れがちな箇所は数多くあります。

熱の問題を考えると洗面所や浴室には不向きかもしれませんが、温度変化が少ない、階段やトイレの消し忘れ対策には悪くない選択です。

センサーは常時通電していますから、当然、待機電力も発生します。このページを読まれている皆さんは待機電力にも敏感でしょうから、電気代がいくらぐらいかかるのかも気になるところです。

◆センサーライトの導入・利用にかかわるコスト

センサーライトの待機電力は機器によっても異なりますが、おおむね1W程度。月額では、おおよそ15円前後だと考えればよいでしょう。年間でも200円を超えることはないため、許容範囲内とも言えそうです。

では、どれくらい消し忘れがあると、センサーライトにしたほうがお得になるのでしょう。ケースバイケースなのですが、1日に3分程度、点灯時間が減るならば、センサーライトのほうが消費電力は少なくなると言われています。

意外なほど効果ありとも思えますが、センサーライトに交換するコストを考えると、なんとも言えない印象でしょうか。

これは白熱電球との比較なので、より低コストなLED電球を現在使われているなら、センサーライト化の節電効果はほとんど感じられないかもしれません。

しかし、ご家族に消し忘れ癖のある方がいて、毎日口を酸っぱくしながら注意している……となれば、話は変わってきます。

消し忘れたまま出かけてしまい、8時間もトイレの電燈がつけっぱなしになることがしょっちゅう。このような場合、LED電球でも年間500円ほどは電気代を無駄にしている計算です。

どうしても消し忘れ癖が治らない場合は、1年で500円〜確実に節約でき、利便性も高まるセンサーライトの設置も考える価値はあるのでは。

センサーライト自体は2,000円程度で手に入れる事ができますが、電球部分より先に、センサー部分がどうしても寿命を迎えてしまいます。2年程度で反応しなくなったなんて事態にならないように、ご自宅の消し忘れ状況とご相談しながら、ある程度いいものを買うようにしましょう。