2017年03月29日
電気コラムでよく見る「消費電力」って? 言葉の意味を知り節電・節約に活用!
「消費電力」や「消費電力量」という単語は、当コラムをご覧の皆さんなら何度か見たことがあるのでは。ところで、どういう意味かご存じですか? 理解しておけば電気代の試算などに活用できます。
◆「消費電力」は家庭電化製品を動かすために必要な“パワー”
まず消費電力とはわかりやすく言えば、
「炊飯器や洗濯機、掃除機などを動かすために必要な電気」
のことで、「W(ワット)」という電力では知名度の高い単位で表記されます。
W数は電気製品本体に貼られた性能を記載したシールや、説明書などに記されているのが一般的。そのため、なかなか自分で計算することは少ないと思いますが、「電圧(V<ボルト>)×電流(A<アンペア>)」という式で算出できます。だいたいの家電は「100(V)×A」で求められます。
かけ算の結果出てきたW数は、その家電を動かすのに“どのぐらい電力を使うのか”を意味します。そのため、消費電力を抑えることが電気代節約への第一歩と言われるのです。
◆見た目は似ているが「消費電力量」は“家電を動かした分だけ使った電力”
消費電力のほかにもうひとつ、覚えておいてほしいキーワードがあります。それは「消費電力量」です。
文字だけを見ると、消費電力も消費電力量も同じようなものに感じるかもしれませんが、消費電力量は「ドライヤーで10分間、髪を乾かした」など、「ひとつの電気製品を動かした時間分の電気の使用量」を表します。
よって、消費電力に使用時間をかけることで算出でき、計算式は「家電に記されたW数×実際に動かした時間(h)」です。「Wh(ワットアワー)」が使われるのが一般的なので、計算する際、使用時間が15分なら0.25hなど、単位を時間に直す必要があります。
この2種類の違いを押さえておけば、節電や節約を考えるときに役立てられます。
◆家電の電気代はどうやって計算できる?
では、これらの数値からいかにして電気代を計算できるか見ていきます。電気代を求める場合、「kWh(キロワットアワー)」に換算する必要があります。
なぜなら電力会社からの使用量のお知らせなどを見てもらうとわかると思いますが、電気料金の設定自体、「kWh」が基本単位となっているからです。また単位が増えてしまいましたが、「消費電力(W)÷1000」という簡単なもの。
電気代を知るには、
kWh×使用した時間(h)×契約プランに応じた1kWhあたりの電気料金
で計算でき、この結果が、その家電を一定時間使ったときの電気代となります。具体的には、
●1kWhあたりの電気料金を24円、900Wの電子ポットで沸騰までに15分使用したと仮定
→電気代は900W÷1000×0.25h×24円=5.4円
という具合になります。
ちなみに電化製品の中には、WhやkWが最初から記載されているものもあります。この場合、計算の手間が省けてありがたいですが、どう計算式に当てはめたらいいかわからないと困るので、念のため、それぞれの計算式を記載しておきます。
・電気製品に「Wh」が書かれていた場合
→Wh÷1000×契約電力会社&プランごとの電気料金(※1kWhあたり)
・電気製品に「kW」が書かれていた場合
→kW×動かした時間(h)×契約電力会社&プランごとの電気料金(※1kWhあたり)
となります。
その他に見かける単位として「VA(ボルトアンペア)」もありますが、この場合、その数字がそのままW数に当たるので、電気代を知りたいときは、「W(ここではVAの数値)÷1000×動かした時間(h)×契約プランに応じた1kWhあたりの電気料金」に当てはめればOKです。
◆「1kWhあたりの電気料金」が電気代の節約には重要
ここまで説明した内容を理解しておけば、計算式に数値を入れていき、あとは電卓を叩けば、目安となる電気代は簡単にわかります。
電気代を節約する方法としては、使用時間を短縮、1kWhあたりの電気料金を下げるなどが考えられます。契約している電力事業社やプランごとに変動するので、新電力を含め、自分のライフスタイルに合ったものに変更するだけでも、電気代を抑えられる可能性を秘めています。
家電製品に記載されている用語で、余裕があれば覚えておきたいものを2つほど紹介しておきます。
「定格消費電力」:消費電力が電気製品を稼動させるのに使われる電力に対し、定格〜は消費電力の“最大パワー”を意味します。省エネ効果を調べたいときは、消費電力同士で比較しないとズレが生じることも。
「年間消費電力」:冷蔵庫やテレビ、エアコンなど、使い方次第で使用される電気量が変わりやすいものは、電気代が計算しにくいケースもあります。具体的な使用状況を想定して算出されたこの数値は目安になります。
これらも知っておくと家電選びのときに役立つと思いますし、当コラムがますます楽しくなるはずです。皆さんも身の回りにある家電の電気代を計算してみてはいかがでしょうか。
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