2017年04月28日
冷蔵庫の背面と壁を離せば節電になるって迷信なの?
昔から「冷蔵庫の背面を壁から離さないと冷蔵効率が悪化する」といわれてきました。本当にそうなの? 他にもやってはいけないことが? など、節電にもつながる冷蔵庫の正しい設置方法を考えてみましょう。
◆冷蔵庫の背面と壁の間にスペースを作らなければいけない理由は?
家電量販店などで冷蔵庫を購入する際、店員さんから「壁から離して設置しないと冷蔵効率が悪くなり、電気代も増えます」などといわれたことはないでしょうか。
こうした「冷蔵庫と壁の距離」の“言い伝え”には、理由があります。そう、冷蔵庫の「放熱板」です。
物を冷やすための冷蔵庫ですが、ものを冷やす際に集めた熱を、どうしても排熱(放熱)しなければ、効率的な冷却はできません。
そのため、冷蔵庫には必ず「放熱板」と呼ばれる部品が装着され、昔は本体の背面に配置されているのが主流でした。冷蔵庫の後部に、黒色の板のようなものが付いていたことを覚えている方もいらっしゃるでしょう。
「冷蔵庫の背面を壁と離さなければダメ!」という言い伝えは、この放熱板と壁の距離が近いと十分な放熱ができず、結果として冷蔵庫内の冷えが悪くなったり、消費電力に影響が出てしまうケースもあることを意味します。
◆進化した現在の冷蔵庫は、背面と壁をピッタリ設置しても大丈夫!
ですが、それでは設置スペースが不自由で不便だという理由から最近の冷蔵庫では背面の放熱板を見かけることが少なくなりました。現在冷蔵庫からは、背面での放熱をしなくなったと考えていいでしょう。
つまり、今の冷蔵庫は背面を壁とピッタリに設置しても“大丈夫!”なタイプの製品が多いのです。
では、放熱板はどこに?
実は、冷蔵庫の側面や上部に設置されているのです。ところが、冷蔵庫の側面や上部を見ても、それらしきものはありません。外観も重視して内部に設置されているため、外からは見えないわけです。
◆冷蔵庫の放熱板の設置場所は側面や上部に、そして内蔵型へと進化!
冷蔵庫の放熱板は、ここ20年ほどの間に設置場所が背面→側面→上部と推移してきました。
・後ろの壁と離さなくてもよいように、側面放熱に
・両サイドに設置制限があるのも不便なので、上部放熱に
と、進化したわけです。放熱板が背面にあるものより側面タイプ、側面よりも上部タイプの方が、最新式だともいえます。
現在では、側面は0.5〜2cm、上部は5〜30cmほど隙間を確保するよう、メーカーも推奨しています。上部に放熱板を内蔵した最新式でも、側面から多少は放熱できると冷蔵効率が高まるからです。
側面の推奨距離はわずかなので、設置場所に困ることはないでしょう。ほんの少し、心持ち空いていれば大丈夫だと考えればOKです。
◆冷蔵庫の上部に物を置いたり、前面・側面に物を貼ると電気代の無駄に!
冷蔵庫の背面や側面のスペースをそれほど意識しなくてよくなった代わりに、冷蔵庫の上部に物を置いてはいけません。
背の高い大型冷蔵庫なら上部に手も届かないでしょうが、小型〜中型冷蔵庫の場合は、ついつい上に物を置いてしまいがち。これは、節電効果を考えるとNGになりやすいのです。
また、冷蔵庫が大きくなるほど、側面&上部の隙間は少なくてもよくなります。大きな冷蔵庫は放熱板を大型化できるため、小型タイプなどと比較すると放熱効率が高い傾向にあります。上部スペースに余裕がある小型〜中型冷蔵庫ほど要注意だともいえます。
では、冷蔵庫の上部にだけ気を使えばよいのでしょうか。
答は“×”。省エネを意識した最新式であればあるほど、側面や前面からも効果的に放熱できるよう設計されているからです。
ここで注意しなければならないのは、マグネットなどでさまざまな物を貼り付けてしまいがちなこと。冷蔵庫の前面が掲示板代わりになっているご家庭も多いと思いますが、放熱効果&節電対策を考えると、やらないほうがベターです。
外観を変えるための木目調マグネットシートなども売られていて、便利さやオシャレなどから使いたくなると思いますが、モノを貼れば貼るほど放熱効果が落ちやすく、電気代にも影響がでることも考えられます。
どうしても使うときは、貼るのは側面に1枚など自分なりのルールを決め、少しでも電気代が増えてしまわないように気をつけたいものです。ケースバイケースで判断しましょう。
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