電力節約のマメ知識

2017年05月24日

エアコンの節電には“室外機周辺の環境”も要チェック!

電気

購入時に設置したまま、普段の生活では気に留めることも少ないエアコンの室外機。でも、そんな“忘れ去られた”室外機こそ、エアコン節電の重要ポイントだということはご存知でしたか?

◆エアコン室外機の裏面が汚れたままだと、運転効率が悪化することも…

皆さんのご家庭では、エアコンの室外機がどこに設置されているでしょうか。購入した際の設置業者に言われるまま、お任せで設置したものの、その後は気にかけることもなかった方が少なくないのでは?

一戸建ての一階なら、庭先のどこかでしょう。二階ならベランダか、壁に足場を作って設置されているはずです。家屋の構造によっては、屋根に置かれていることも珍しくありません。

マンションであれば、ベランダの片隅がほぼ定位置なはずです。また、手が届かないような外壁に設置されている例もあるでしょう。

この最後の例は別にして、室外機の多くは、手をかけようと思えばできる場所に設置されているはずです。

では、節電のための室外機メンテナンスは、どのような点に留意すればよいのでしょうか。

室外機の内部では、裏面(網目状の金属板がある側)から空気を吸い込み、表面(ファンがある側)から空気を排出することで、「冷媒」(フロンガス)を冷やしています。冷えた冷媒は、パイプを通して室内機(部屋のエアコン)に送られます。

この過程で重要なのが、室外機の「熱交換器」と呼ばれる部分です。熱交換器は、室外機の裏面、網目状になった薄い金属版(アルミ製)の奥にあります。

網目状の金属板は、熱交換器が吸い込む空気にゴミが混じらないように、フィルター的な役割を果たしているわけです。ここが埃や動物の毛などで目詰りすると、エアコンの動作効率が落ちてしまいます。

「室外機のお掃除」とは、この網目状の金属板をキレイにすることです。裏側なので設置場所によっては難しいかもしれませんが、できれば普段から気にかけてみましょう。

◆エアコン室外機の節電対策は、もっとも電力を使用する熱の排出がポイント

吸い込む空気だけでなく、表面のファンが排出する空気のことも考えましょう。実は、室外機がもっとも電力を使用するのは、熱い空気を排出する(=熱を捨てる)過程なのです。

ファンから排出される空気は、かなり高温になっています。高温の空気が室外機周辺に溜まったままだと、裏側から吸い込む空気も高温なので運転効率が落ち、電気代がかさんでしまいます。

こうした事態を防ぐためには、室外機の設置場所では可能な範囲で、次のようなことに気を使いましょう。

・室外機周辺の風通しをよくする
・表面(ファン)からの放熱が周囲に滞らないようにする
・室外機に直射日光が当たらないようにする

室外機の前に植物が生い茂っていたり、大きな物が置かれていたりすると、空気の対流が悪くなり、室外機周辺に熱が滞ってしまいます。こうした障害物がないかどうかを、まずはチェックしてみましょう。

よく目にする室外機用のカバーも、運転時には外すことを忘れないように。カバーは、冷房・暖房を使わない季節の変わり目に室外機を保護するものです。

空気の対流は問題なくても、室外機自体が直射日光で熱くなってしまうと、やはり運転効率の悪化につながりやすくなります。

室外機が日なたに設置されている場合は、植木や簾などで日陰を作ってあげる対策も有効です。ただし、室外機からの距離が1メートル未満だと逆効果なのは、前述した通りです。

室外機を板で囲んだり、簾が室外機に被さるような形で吊り下げられていると、ファンの吹き出し口が塞がれてしまうかもしれません。過度の対策は室外機の故障にもつながりかねないので、あくまで“ほどほど”を意識されたほうがいいでしょう。