電力節約のマメ知識

2017年05月24日

節水は水道代だけでなく社会の省エネにも! 水場から考えるエコ

水道

電気は、水道の水を作り出すためにも使われています。トイレやお風呂、洗面所など日々の生活での節水が、社会的な節電や、災害時のライフライン対策にもつながることを意識してみましょう。

◆水にも使われている電力に意識を向けましょう

節電や省エネという言葉は普段から意識していても、そこで節水を考えられる方は少ないでしょう。

毎日のように何気なく使っていて、絶えずあるもの……。水道には、そんな感覚が当たり前だともいえます。

でも、考えてみて下さい。水道水は、川や水場から自然水を汲み上げ、浄水場で作られます。ビルやマンション、学校や病院など大きな建物では、ポンプを使って各部屋に水を供給しています。使われた後の下水は、下水処理場できれいな水に処理されます。

こうした過程では、すべて電力が消費されています。節水が社会的な節電につながることを、私たちは改めて意識するべきかもしれません。

◆トイレの無駄な水は、テレビを1時間つけているのと同じ電気消費量

水道統計を基にしたメーカーの試算では、水1リットルの節水で、1W近い節電になるといわれています。

たとえば、トイレで水を流す際に「大小」をきちんと意識すれば、1回あたり約2リットルの節水になります。つまり、1回のトイレ利用で2Wの電気が節約できるわけです。

4人家族で1カ月なら、約720リットル=約0.7kWhの節電に。その電力消費量は、テレビを毎日1時間ほど見続けるのとほぼ同じです。

シャワーを出しっぱなしにせず、こまめに止めるだけでも、同様の節水になります。4人家族の1カ月に換算すると約960リットル=約0.9kWh。やはり、テレビを毎日1〜2時間ほど見続ける電力消費量になります。

意外なほど、水が電気を消費していることに気づかれたのではないでしょうか。

◆家庭で節水を行うことで節電という社会貢献も可能!

ほかにも、ご家庭で簡単にできる節水例は数多くあります。

・歯磨きで口をすすぐ際、コップで水を上手に使う:1回あたり約5.4リットルの節水=1カ月間に換算すると、テレビを毎日1〜2時間ほど見続ける電力消費量

・お風呂の残り湯を洗濯に再利用:1回あたり約90リットルの節水=1カ月間に換算すると、テレビを毎日3時間ほど見続ける電力消費量

・キッチンで食器を洗う際、水を出しっぱなしにせず、溜め洗いを心がける:1回あたり約90リットルの節水=1カ月間に換算すると、テレビを毎日6時間ほど見続ける電力消費量

いかがでしょうか。一人ひとりがこうした節水を心がけると、1世帯あたりの年間電力消費量(約3,400kWh/年)の、約5%を節電できるともいわれています。

私たちが日常生活で使う水道水は、ここ40年で消費量が倍増しているというデータもあります。そう聞くと業務用の大量消費をイメージしがちですが、実は、その大半が家庭用なのです。

◆水道代の節約はもちろん、災害時対策にもつながる節水を心がけましょう

また、こうした節水を心がけていれば、水道や電気などライフラインが止まってしまう災害時の備えの一環にもなります。少ない水で日常生活を賄える術が身についていれば、いざ災害が起きてから慌てることもないでしょう。

もちろん、ご家庭における水道代の節約にもなります。家計に直結する要素なので、節水効果もわかりやすいです。

戦後の高度成長期に敷設された上水道・下水道網が寿命を迎え、全国各地で水道管や下水管の断裂・破裂が起きていることは、皆さんもニュースなどで目にされているでしょう。

このままだと遠くないうちに、日本の公共上水道ネットワークは破綻してしまうのでは、とも言われています。水道の民間委託などが進めば、水道代の大幅値上げは避けられないかもしれません。

こうした一面からも、節水を心がける大切さが見えてきます。水道代の節約だけでなく、節電という社会貢献も意識することで、水の大切さを考え直してみてはいかがでしょうか。