2017年06月30日
エアコンの冷房運転中は換気扇を回すべき? 回さないべき?
エアコン使用時に換気扇を回すのはいいことなの? ダメなの? エアコンと換気扇併用法について、何が正しくて、何が間違いなのかを解説します。
◆エアコンが換気をしているから換気扇は不要……という“常識”は間違い!
エアコンを使っている際、「同時に換気扇も回すなんて無駄!」、あるいは、「エアコンが換気をしてくれているのだから、換気扇を回す必要なんかないでしょ」と言われたことはありませんか。
世の中にはこのように、エアコンと換気扇の同時使用は「×」という常識が広まっています。
ですが、これは間違い! エアコンと換気扇を同時に使った方が、冷暖房の効率はアップするのです。そもそも「エアコンが換気をしているから」という、発想の原点が誤りなのです。
たしかに、エアコンはパイプを通して外の室外機とつながり、室外機ではファンが回っています。それだけをイメージすると、何やら「換気」もしてくれているように錯覚しがちなのですが……。
エアコンは、室内機と室外機それぞれに「熱交換器」と呼ばれる部品を内蔵しています。この「熱交換器」を通過する空気が冷やされたり暖められることで、冷暖房の機能を実現しているのです。
そうした内部での空気循環の際、余分な「熱い空気」(冷房時)と「冷たい空気」(暖房時)が生じるため、それを外に排出します。室外機のファンは、排出のためだけに回っているのです。
室外機から外気の取り込みは行わないので、外気と室内の空気が循環はしていません。つまり、「換気はしていない」わけです。
◆冷暖房効率アップ&健康のため、エアコンは換気扇と併用するのが正解
ですから、室内の換気には換気扇が必要です。
換気扇を回すことで室内の空気に動き(流れ)が生じ、冷暖房の効率もアップします。お部屋の隅々まで、冷暖房効果が感じられるようになるわけです。
ただ、いったん室内の温度が下がり(冷房時)、あるいは十分に暖かくなった際(暖房時)には、換気扇を回すことで冷気や暖気が外に逃げてしまう場合もあります。これでは逆効果です。
「エアコンと換気扇の同時使用なんて、もったいない! 無駄!」という意見は、こうしたことが拡大解釈され、勘違いを生んでしまったのではとも考えられます。
前述のようにエアコンは換気をしないため、時間が経つにつれ、汚れた空気を循環させるようになっていきます。
ちなみに、空気を汚すのはエアコンではなく人間です。エアコンを付ける=室内に人がいて活動する=空気が汚れていく。そう考えると、わかりやすいはずです。
また、エアコンを使えば使うほど、室内の空気は乾燥していきます。乾燥により喉を痛めないために、さらにはアレルギー対策の面から、ある程度の湿度は必要です。
こうした汚れた空気の入れ替えや、一定の湿度を保つためにも、換気は有効なのです。
厳密にいえば、換気扇などない密閉空間の方が、エアコンの冷暖房効果は長持ちします。ですが、健康のためには、換気扇の併用を考えるべきでしょう。
本当に換気が不要(=無駄)なら、加湿機能や換気機能を持つエアコンが販売されているのもおかしな話です。必要な機能だから、採用されているのです。
ただし、換気機能を持ったエアコンも万能なわけではありません。
換気はあくまで付随機能(オマケの機能)なので、能力はトイレ用の小さな換気扇にも及びません。やはり、エアコンと換気扇の併用がもっとも賢い選択といえそうです。
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