2017年06月30日
今さら聞けない洗濯乾燥機と光熱費の関係
梅雨時の洗濯には、なくてはならない味方となる家庭用の洗濯乾燥機。方式によって乾燥効率&光熱費が大きく変わることも含め、洗濯&乾燥する際の注意ポイントを考えてみましょう。
◆お手頃価格な縦型ヒーター式・洗濯乾燥機の中身は“巨大ドライヤー”
洗濯機を洗濯乾燥機に買い替えたお宅や、古い洗濯機をそろそろ洗濯乾燥機に……とお考えの方は多いことでしょう。
でも、洗濯乾燥機には大きく分けて2つの方式があります。その違いをきちんと理解していなければ、正しい節電&節約はできません。
洗濯機には、従来タイプの縦型と、後発モデルのドラム型があります。まずは、それぞれの特徴を簡単にまとめてみます。
*縦型
・価格がお手頃
・洗浄能力が高い
*ドラム型
・水の使用量が少なく、節水効果が高い
・洗濯物に優しい(衣類が痛みにくい)
一時はドラム型のシェアが急拡大したものの、近年はコストパフォーマンスが高い縦型も見直され、どちらを選ぶかで悩まれる方が増えています。
洗濯乾燥機のタイプは、乾燥方式によっても異なります。
・縦型:ヒーター式
・ドラム型:ヒートポンプ式が主流(ヒーター式も選べる)
価格もお手頃な縦型ヒーター式には、下記のような特徴があります。
・100度に達する熱風で洗濯物を乾燥させる
・乾燥時に発生する水蒸気を排出するため、冷却水が必要(乾燥にも水を使う)
縦型&ヒーター式をわかりやすく例えるなら“巨大なドライヤー”。乾燥中の洗濯機内部は高熱になるため、運転中はもちろん、終了後もすぐにはドアを開けられません(開けると火傷してしまいます)。
◆洗濯乾燥機のヒーター式とヒートポンプ式では、光熱費の差額が1年で約7,000円
一方、ドラム型&ヒートポンプ式は、乾燥した空気の対流で乾かす仕組み。超強力な除湿機で乾かす様をイメージすると、わかりやすいかもしれません。
*ドラム型&ヒートポンプ式の特徴
・ヒーター式より電気代が安い
・乾燥時に水を使わないので、水道代も安い
・低温乾燥(約65度)なので洗濯物が痛みにくい
・価格が高い(ヒーター式より10万円近く高価)
では、実際のコストは具体的にどれぐらい違うのでしょうか。
*1回の洗濯+乾燥で必要な光熱費(電気代+水道代)
・ヒーター式:約95円
・ヒートポンプ式:約39円
一般的な家庭の洗濯物量で概算すると、おおよそ1回60円弱の差。1カ月で約600円、1年間で約7,000円の差額は、小さくはないはずです。
日立のドラム型では、ヒート式の発展形ともいえるヒートリサイクル式を採用しています。排熱を乾燥に再利用するため、ヒートポンプ式に迫る低コストが特徴です。乾燥時のコストは、高い順に「ヒーター式>ヒートリサイクル式≧ヒートポンプ式」だと考えればいいでしょう。
なお、ドラム型&ヒートポンプ式では、以下の点に注意が必要です。
(1)洗濯能力が縦型より劣るため、激しい泥汚れなどは二度洗いが必要。小さなお子さんが多いご家庭では、縦型ヒーター式とのコスト差が小さくなるかも?
(2)メンテナンス(清掃)をマメにしないと、洗濯物にカビ臭が付着したり、乾燥しにくくなる
(3)洗濯と乾燥を別々に行うと、乾きにくい
最後の(3)は、洗濯のみと洗濯〜乾燥で、脱水時間が異なることに起因するようです。これを繰り返すとヒートポンプ自体が痛み、故障で思わぬ出費を強いられることも。ヒートポンプ式の場合は、基本的に「全自動でお任せ」がベターです。
メンテナンス(清掃)の手間がかからない、洗濯と乾燥を使い分けられるなど、使い勝手の自由さでは、縦型ヒーター式に分があるかもしれません。買い替えの際には、光熱費の比較だけでなく、こうした利便性も考慮しましょう。
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