電力節約のマメ知識

2017年08月08日

代用OK? 電気代はどちらが安い? 扇風機とサーキュレーターの違いとは

電気

一般的な扇風機とサーキュレーターは、どちらもモーターで羽根を回転させて風を発生させる家電です。しかし、目的とするところや生み出される風の質には違いがあります。それぞれの特徴から見ていきましょう。

◆扇風機の特徴は?

扇風機は、暑いときに風を体に当てて体感温度を下げ、涼を取るための家電です。扇風機の風は、遠くまでは届きませんが広範囲に広がります。

さらに、ほとんどの機種でついている首振り機能を活用すれば、部屋全体に風をいき渡らせることも可能となります。

◎扇風機の特徴
【目的】人の体に風を当てて体感温度を下げ、涼しさを感じさせること
【風の強さ】比較的やわらかな風で、微風から強風まで調節可能
【風が届く距離】近距離
【風が届く範囲】広範囲

◆サーキュレーターの特徴は?

サーキュレーターは、室内の空気を攪拌(かんくはん)させたり循環させたりして、気温を平均化させるための家電です。外気の取り込みにも適しています。また、サーキュレーターの風はパワフルで直線的なため、遠くまで特定の地点に届きます。

一定方向に空気を動かして循環させるものであることから、手動で真横や真上などに角度を変えられる機種が多い一方で、自動の首振り機能がついている機種はそれほど多くなく、パワフルであるため扇風機より音が大きくなりがちという傾向もあります。

しかし近年では、自動首振り機能や静音機能を備えた機種も登場しています。

◎サーキュレーターの特徴
【目的】空気を一定方向に動かして、室内の気温を平均化させること
【風の強さ】パワフル(風量調節が可能な機種もある)
【風が届く距離】比較的遠くまで届く
【風が届く範囲】特定の地点

◆電気代が安い!〜扇風機とサーキュレーターの共通項

ここまで見てきたとおり、扇風機とサーキュレーターは目的とするところも風の特徴もまったく異なる家電です。

一方で、この2つの家電には大きな共通項があります。それは「消費電力量が小さく、電気代があまりかからない」ということです。

それぞれの売れ筋機種の消費電力量と電気代を見ていきます。

◎扇風機(日立*1/HEF-120R)の消費電力量と電気代
【消費電力(50Hz/60Hz)】
風量最小運転時(首振りなし):11W/13W
風量最大運転時(左右首振りあり):40W/43W

【1時間あたりの電気代*2の目安(50Hz/60Hz)】
風量最小運転時(首振りなし):0.297円/0.351円
風量最大運転時(左右首振りあり):1.08円/1.161円

◎サーキュレーター(アイリスオーヤマ/PCF-C15T)の消費電力量と電気代
【消費電力(50Hz/60Hz)】
風量最小運転時(首振りなし):13W/16W
風量最大運転時(上下左右首振りあり):34W/31W

【1時間あたりの電気代*2の目安(50Hz/60Hz)】
風量最小運転時(首振りなし):0.351円/0.432円
風量最大運転時(上下左右首振りあり):0.918円/0.837円

扇風機、サーキュレーターともに、風量最大で使用しても1時間あたりの電気代は1円前後とかなり安価です。

最近では、本体価格は高めながらさらに消費電力が小さい「DCモーター」を使った機種も人気を集めていますので、店頭などでチェックしてみましょう。

*1:日立コンシューマ・マーケティング株式会社 リビングサプライ社
*2:27円(税込)/kWhとして計算

◆扇風機とサーキュレーターは代用可能?

サーキュレーターが得意な、

・室内の空気を攪拌させる
・エアコンと併用して室内の空気を循環させる
・部屋干しの洗濯物を乾かす

といったことは、サーキュレーターを使う方が効率よくできますが、扇風機でも代用可能です。

気をつけたいのは、サーキュレーターを扇風機と同じように、涼を取るために使うこと。

強い風を体に直接受け続けてしまうと体温の低下を招き、度を越してしまうと健康を害するおそれも出てきます。前述のとおり、サーキュレーターの風はパワフルで直線的です。扇風機がわりに使うときには、風量や風向き、使用時間に注意して使いましょう。

優秀な省エネ家電ともいえる扇風機とサーキュレーサー。近頃では、両方の特長を兼ね備えた機種も登場しています。家庭での節電効果を高めるため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。