電力節約のマメ知識

2017年08月14日

テレビのカタログで見かける「リフレッシュレート」って何?

電気

皆さんはテレビを購入するとき、何に注目していますか。画面サイズや画質など、重要視するポイントは人それぞれかと思いますが、カタログに記載されている「リフレッシュレート」というものが、何を意味しているか知っていますか?

◆リフレッシュレートは何を表すもの?

テレビのスペックを表す項目はいくつかありますが、その中でもいまいちピンとこないもののひとつが「リフレッシュレート」ではないでしょうか。

なんとなく映像表示に関する数値なのは想像できるかもしれませんが、そもそも数値が高い方がいいのか、低い方がいいのかもよくわからないという人も多いと思います。

リフレッシュレートとは、1秒間に画面を更新できる回数を表したもので、もともとはPCで使用するディスプレイなどで使われていた言葉です。数値の単位は「Hz(ヘルツ)」で、たとえば「60Hz」なら1秒間に60回、画面を更新することを意味します。

基本的には数値が高くなるほど、よりなめらかな動きを表現できるようになりますが、テレビでも高リフレッシュレートの方がいいのでしょうか?

◆フレームレートとリフレッシュレートの違いは?

テレビとPCでは映像を作り出すシステムが異なり、テレビ放送に関しては1秒間あたりに表示される画像コマ数「フレームレート」が定められているため、リフレッシュレートが高い=なめらかな動きを表現できる……と簡単にはなりません。

現在の地上デジタル放送は1秒間につき60コマと決まっていますので、実はテレビではリフレッシュレートは60Hzあれば十分と言うことができます。

では、なぜテレビで「倍速(120Hz)」などと高リフレッシュレートを謳い文句にしているのかというと、それは液晶画面の特性が関係してきます。

人間の目では感じにくいかもしれませんが、液晶パネルで映像を表示する場合、たった今表示されている映像は、次の映像が表示されるまでの間はずっと表示されるという性質を持っています。

つまり、連続して違う映像を表示させると液晶画面の応答が間に合わず、動いている部分がぼやけているように見えてしまう現象(※いわゆる「残像」)が起きやすくなってしまいます。

この弱点を補うため、高リフレッシュレートを採用し、本来より細かいコマ数で間を補足していくことで、ぼやけを目立たせないようにする効果を狙っているのです。

◆テレビ選びでは高リフレッシュレートの方がいいのか?

高リフレッシュレートのテレビなら、残像が発生する可能性が下がるので、よりスムーズな映像を楽しみたいという人はにはオススメと言えます。

ただし、実際のテレビ放送は60Hzなので、高いリフレッシュレートによってコマの間を埋めている映像は、あくまでもテレビ自体が作り出したもの。どのような映像でコマ間を埋めるかは、メーカーごとの特徴や性能によって左右されます。

よりなめらかな映像を求める場合、各メーカーの特性をよく理解した上で選ぶことも大切です。特に40型以上の大きめの画面サイズのテレビを購入するのであれば、残像が起きやすいため、高いリフレッシュレートを選ぶ方がいいかもしれません。

また、リフレッシュレートが大きくなると、それだけ画面を更新する頻度が上がるということでもありますので、消費電力やGPUへの負担もわずかですが上昇します。

2020年には今よりも高精細な映像レートの放送が検討されていますので、テレビの高リフレッシュレートが本来の性能を生かすときも近いと言えます。ですが、短期的に電気代へ還ってくることはほぼありませんが、長い目で見ると高いリフレッシュレートの機種は割高になってしまうのも事実です。

動きの激しいスポーツ中継やTVゲームで良く利用するならば高いリフレッシュレートの機種を。ニュース番組中心や、ながら見が殆どの人は2020年までは買い替えを待つなど現在の視聴環境を考えて、テレビを購入する際に、注目してみてください。