電力節約のマメ知識

2017年08月29日

ルンバなどのロボット掃除機と一般的な掃除機ではどちらがお得?

電気

大人気のルンバなどロボット掃除機ですが、一般的な掃除機との電気代&ランニングコスト差は、意外に知られていません。どちらが安いのか、気になるコスト面からメリット&デメリットを考えてみましょう。

◆掃除にかかる電気代は、ロボット掃除機の方が年間900円ほどお得!

一般的な掃除機からロボット掃除機への買い替えを考える際に、やはり気になるのは電気代です。ロボット掃除機の絶えず動き回っているイメージからは、なにやら電気代が高そうな気もしますが……。

とはいえ、たとえば代表的なロボット掃除機「ルンバ」の宣伝文句には、「消費電力が一般掃除機の約20分の1」「電気代は1時間で約1円」などと謳われています。だとすれば、ずいぶん安いようにも思えます。

実は、ここでちょっと考えなければならないことがあります。一般的な掃除機は、掃除をするときだけ電気代がかかります。その時間は、平均で1回15分といったところでしょうか。

一方、ロボット掃除機は1回の掃除で約1時間ほど、あちこちを動き回ります。でも動くための電気代はわずかなので、“15分VS1時間”の比較でも、ロボット掃除機の方が電気代は安くつきます。

なるほど、1回の掃除で電気代が1円ぐらいなら、確かに安い!

そう思うかもしれませんが、ロボット掃除機を動かすためには、掃除をしていないときに充電しておかなければなりません。前述の宣伝文句には、この充電コストが含まれていないのです。

つまり、ロボット掃除機と一般的な掃除機を比較するなら、「掃除をするときにかかる電気代」だけでなく、「掃除をする前の充電コスト+掃除する際の電気代」で考えなければいけないわけです。

ロボット掃除機の充電には、メーカーや機種により前後しますが、約3時間ほどかかりますから、電気代を27円/kWhとして計算すると、1回の掃除にかかる電気代は約2.7円程度ということに。

一般的な掃除機は1回の掃除で6円ちょっとかかるので、おおよそ1回につき3円ほど、ロボット掃除機の方が安上がりとなる計算です。年間の掃除回数を300回とすると、1年で900円の差。やっぱりロボット掃除機って、すごい!?

◆ロボット掃除機VS一般掃除機! 5年間の総ランニングコストで勝るのは?

ただし、必要なコストはそれだけではありません。ロボット掃除機の充電池(=バッテリー)には、寿命があります。スマホや携帯電話、デジカメなどのバッテリーが消耗するのと同様です。

ロボット掃除機のバッテリーは機種によっても異なりますが、おおよそ3年〜5年で交換が必要になります。バッテリーの価格は、10,000円〜15,000円ほど。専用充電池なので、かなり高額です。

さらに、フィルターやブラシといった消耗部品も交換しなければなりません。フィルターは4カ月程度、ブラシは1年に1回の交換が必要なので、仮に5年間で考えると、電気代+部品代の総ランニングコストは30,000円を超えてしまいます。

一方、一般的な掃除機の電気代は、1日15分、毎日掃除したとしても5年間で約1万円前後。紙パック式掃除機では紙パック代がかかるものの、一般的な掃除機の方が安上がりなことは確かでしょう。

そう考えるとデメリットばかり目立ちますが、ロボット掃除機のフィルターやブラシは、ネット通販で安く買うこともできます。うまく節約すれば、5年間のランニングコスト差を1万円程度に抑えられるかもしれません。

また、地球環境を考えれば、ロボット掃除機は“エコ”で“省エネ”に優れた製品です。社会貢献という側面も見逃せません。

そして最後に、人件費=「掃除にかかる手間」。実は、「それが一番!」と思われる方も多いのでは!? こうした目に見えない、お金に換算できない要素も含めつつ、どちらがお得かを考えてみましょう。

※電気代は公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価27円/kWh(税込)を使用