電力節約のマメ知識

2017年08月29日

電気の大食い犯? 電子レンジを効率よく使うミニ節約術

電気

家電製品の中でも、電気をかなり使うイメージがある電子レンジ。でも、ちょっとした使い方の工夫で効率がアップし、無駄な電気代が不要になるケースも少なくありません。そんな豆知識をまとめます。

◆電子レンジは本当に電気の大食い犯なの?

電子レンジとエアコン、ドライヤーなどを同時に使用し、家のブレーカーが落ちてしまった経験は、誰もが一度や二度はあるはず。そのためか、電子レンジ=電気の大食い犯というイメージも強いのではないでしょうか。

各メーカーの公表値によると、一般的な電子レンジの年間消費電力は55kWh程度。電気代に換算すると年間1,500円、1カ月あたり120円ちょっとになる計算です。

この金額は、掃除機の年間電気代(※1日10分・毎日掃除機をかけた場合)とほぼ同じです。炊飯器やアイロン、ドライヤー、テレビの電気代が年間2,000円前後であることを考えると、電子レンジは意外なほど省エネ家電!?

ちなみに、冷蔵庫はサイズなどにも左右されますが年間10,000円弱の電気を使います。

それでもブレーカーが落ちてしまうのは、瞬間的に電気使用量が跳ね上がるからでしょう。使用時間が極端に短いことを考えると、やはり電子レンジは電気の大食い犯なのです。

◆電子レンジを使う状況次第ではお得なるケースも

とはいえ、冷えたご飯を1分温めた際の電気代は約0.3円。炊飯器で3時間以上保温するなら、電子レンジの方が安上がりです。冷蔵庫に入れておく夏場でも、3分温めるとして約1.3円。やはり、炊飯器の保温よりお得な計算になります!

ただし、これは1人分のご飯で比較した場合の話。炊飯器で炊いたご飯を、30分〜1時間後ぐらいに家族4人で食べるようなケースなら、かえって電気代が高くなることも。

同様に、お湯を沸かしたり、牛乳を温める際に電子レンジの方がお得だと言われるのも、あくまで「1杯分」で計算しているからです。

数人分=2リットル以上のお湯を沸かすなら、電気ポットの方が安上りになる場合も珍しくありません。ガスなら、1リットルぐらいが目処になるでしょう。

◆電子レンジを賢く効率的に使えるようになる5つのポイント

そんな電子レンジを効率良く使うためには、いくつかの豆知識があります。なかでも代表的な、5つのポイントを挙げてみましょう。

・食品はレンジ内のお皿の外側に置く
一般的な回転タイプの電子レンジでは、外側が中心部より多く回転します。つまり、熱伝導が高まる=早く温まる=短い時間でOKということになり、電気代を抑える効果に期待できます。

・複数の食品は間隔を開ける
同時にいくつかの食材を温めようと、重ねたり、近づけすぎたりするのはNG! 接触している部分の熱伝導が悪化し、「ちょっと時間が足りなかったようなので、もう1回……」になりがちなので要注意です。とりわけ解凍時に差が出やすい傾向が見受けられます。

・大きな塊を解凍する際は小分けしてから
肉などの大きな塊は、内部まで解凍するのに時間がかかります。小分けしてから解凍すれば、それだけ短い使用時間ですむはずです。

・冷蔵庫での事前解凍を上手に併用
使う予定が決まっている冷凍肉や魚、野菜などは、その時間に合わせて、冷蔵庫で自然解凍させておきましょう。電子レンジ解凍を直前の短時間だけにすれば、電気代の節約になります。

・レンジ内をキレイに!
電子レンジは、中の物体に反応してマイクロ波を放出し、温めます。レンジ内の汚れにも“物体”として反応するため、食材が効率よく温められなくなります。無駄な電気を使わないため、定期的な清掃を心がけましょう。

皆さんはいくつ実践されていましたか? とても便利な電子レンジは、賢く使えば効率的かつ安上がりな調理機器にも変身! ちょっとした工夫&一手間が、そのカギになりますので、是非お試しください。

※電気代は公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価27円/kWh(税込)を使用